散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

小旅行(6)

2019年07月13日 20時30分55秒 | 飲み歩き・北海道内
まだ明るさが残る中、小樽の小路に入る。



恒例のバー「A」である。



先客はおらず、マスターにご挨拶をしてから、1杯目はジンフィズだ。



通しはチーズになることが多いのだが、前の店で食べたので、頼んでこれを作ってもらった。



南部せんべい(角型)のバターサンドである。バターは通常の雪印製品で、薄めに切って挟むだけなのだが、これが何とも絶妙の味加減になるのである。レーズンバターをたまには食べたいけど、あれは飽きるよね、とかコッテリしすぎてるよね、と思う人にはお勧めである。



2杯目はシャンゼリゼ。ママが出勤してきたところで、ご挨拶。今日はあまり度を越さないようにしよう。



最後の3杯目はラガヴーリン16年。これをじっくりと飲み、バスの時間を待って店を出る。



おや、ついに雨が降ってきたようだ。この後は予定通りにバスに乗り、無事帰宅。記憶が若干曖昧だ。

小旅行(5)

2019年07月13日 18時28分45秒 | 飲み歩き・北海道内
さて、今日飲みに行こうと思った一軒目は、三連休のせいか20時まで予約のみの営業という表示があった。ちょっとがっかり来て、近くの酒屋さんの2階にある、気楽な飲み屋へ。チケットを購入し、まず1杯目はきりんざん・ぽたりぽたりを飲む。



通しはハム2種とひき肉入りオムレツ。なかなかいい。



2杯目は出羽鶴をラベル買い(カジキマグロか?)で選択。すっきりした味で、これは期待通りだった。



食べ物は鯖の煮付、チーズ盛り合わせを注文。鯖は味がしみており美味い。チーズもつまらないようにも思えるが、日本酒と意外と相性が良かった。そうだ、後はぴり辛ひめ鱈を一本頂いたんだった。





そして、危ない3杯目は二世古純米吟醸だ。少し硬質な味だが、これがチーズと合うように思える。

ということで、小さめのグラスながら酒を3杯。今日は大丈夫かな?



小旅行(4)

2019年07月13日 16時47分20秒 | ART
続いて、こちらへ(少し省略気味に紹介する)。

■市立小樽美術館「鈴木吾郎と新鋭作家展~時を紡いで」。
秋山一郎「木の匙」「匙のためのプレイス マット」。



秋山一郎「港。



大原央聡「斜めに立つ人」。



鈴木比奈子「サボテン団地に雪が降る」。



鈴木吾郎「若い女・M」。塚崎聖子と並んで、浮遊界の第一人者。



上嶋秀俊「水の森」。



平埜佐絵子「years」。



全作品、撮影可能で楽しく見させてもらった。



■市立小樽文学館「いまプロレタリア芸術が面白い! 知られざる昭和の大衆文化運動」。今の時代にこそ、見るべきでは。



いわずと知れた、大月源二「走る男」。



大月源二「告別」。この展覧会に相応しい作品。複製だが、良く作った力作だ。



「無産者すご六 勝利を指して」。ポスター貼りは一回休み、ゼネストは出た目の倍進むなど、プロレタリアンすご六。



プロレタリア活動を紹介する小映画。



「第1回プロレタリア美術移動展 会員券」。どんな作品が出品されたのか?



そして展覧会を見た人は、44ページカラーの図録が無料でもらえるのだ。これはぜひもらうべきだと言っておこう。手元に持っていると、逮捕される時代がこの後来るのかもしれないが。



■小樽市民ギャラリー「小樽写真研究会 堂堂展Vol.28 企画展Deep 張碓 銭函 見晴 星野 桂岡 春香」。展覧会名をフルネームで書いてみたが、これだけで分かっていただけるだろうか。小樽とその近郊の写真展だったので、非常に私好み、楽しかった。

それでは飲みに行くとするか。

小旅行(3)

2019年07月13日 15時39分09秒 | ART
野幌から眠りそうになるのをこらえて、乗り換えも無く小樽に到着。小樽では紀伊国屋さんにより、本を一冊購入してから、美術館に急ぐ。

■小樽芸術村「浮世絵コレクション展第2期 川瀬巴水「旅」」。4期ともすべて行きたい展覧会、第2期は川瀬巴水である。
「明治神宮菖蒲田」:総天然色と言いたくなるようなカラフルさ。
「東海道風景選集 日本橋(夜明)」:川瀬は歌川広重の模倣と言われ、あえてこのシリーズを作ったらしい。昭和15年作であるから、石造りの日本橋である。高速道路はまだない。
「東海道風景選集 品川」:品川はまだ小さな漁港だね。

「東海道風景選集 泉岳寺」:小さな星が一つ、そして建物の明りが三つ。
「東海道風景選集 田子之浦の夕」:手前から土手がせりあがり、富士がさらにぐっと上にそびえる。
「伊豆・西平」:これはスケッチかな? 北海道にも来たことがあるそうで、小樽の画もあるそうだ。ぜひそれを展示して欲しかった。

「日光中禅寺湖」:ちょっと観光絵葉書的な大衆的、あざとさが感じられる。
「塩原畑下」:細かく雪が流れる吹雪の描写はチャレンジングだ。
「信州松原湖」:あまりにもクリアーな風景は、マグリットを思い出させる。

「箱根芦ノ湖」:ド直球富士山。



「雪の宮島」:南の方であっても、雪があった方が収まりが良いのか?



「歌舞伎座」:やはり東京を描いて本領発揮するような気がするな。
「五月雨(荒川)」:抑えたグレー、青、緑の色彩。こういうのが良いと思う。
「暮るゝ雪(江戸川)」:同じ版木で多色摺と藍摺の作品があり、藍摺の方にも人気があったとのこと。

最後に、新版画のコーナーがあり、嬉しい作品があった。
吉田博「瀬戸内海集 帆船 午前」「同 午後」「同 夕」「同 夜」:色彩を違えた4連作とは思っていなかった。



吉田博「石鐘山」:微妙にものの形がゆがんだところが、ラフスケッチ、いやマンガの味わいを感じさせる。遊びのある作品。

これで500円ならば、ぜひ見るべきだと思う。



ところで、最初に券を購入するときだが、年配の女性三人組が訳の分からない金の払い方をして、入口を大混乱にしていた(受付のオジサンが具合悪そうになっていた)。さらに「あのホテルの中もこの券で見れるんでしょ」とか、謎の質問(ヴェネツィア美術館のことか?)で、さらに時間を取り、黙って待っていた私もブチ切れそうになるのだった。人間的な修練が足りませんな。

小旅行(2)

2019年07月13日 13時36分37秒 | 食べ歩き
時間的には野幌駅付近で昼食である。少し北口の周辺を歩いたが、飲み屋街の雰囲気もあり、なかなかいい店がみつからない。


→夜は楽しそうだが、開いてない。

ぐるっと回って駅の方に戻って来て、結局、駅前からも見えた中華屋「R」に入ることにした。店に入ってみると先客無し。むむ、しまったかと思ったら、その直後にお客さんが来た。きっと大丈夫に違いない。

店頭の表示はあんかけ焼きそば押しのようにも見えたが、私はごくノーマルに醤油ラーメンを注文。さほど待つことなく、ラーメンがやって来た。



麺は細麺と中太麺を選ぶよう聞かれたので、中太麺を選択。細かい脂とネギ、ゴマが浮いたスープ。具は少な目にチャーシュー、メンマ少々である。早速食べて見ると、かなりのあっさり味で、麺は札幌ラーメン風の仕上がりである。

スープを飲んでみたが、これは今どきの複雑系・濃厚系スープが好きな人には物足りないだろう。しかしながら、年寄り(私の事ね)には、この絶妙のもの足りなさがたまらないのだ。

大体、一口目から味がくっきりして「美味い!」なんてスープは、最後まで飲んでおられんよな。「あっさりしてるなあ~、もう少し飲みたいなあ~、もうやめとこ、いやもう一口」くらいのもの足りなさがあった方が(そう、もの足りないのではない。もの足りなさという風味があるのだ)、よっぽど良いのだよ。

ということで、かなりスープを飲んでしまい、塩分がきになりさすがにやめる。地方都市でであった、もう都会では見つけることが難しいかもしれないラーメン。ありがたいものである。



野幌駅に戻り、普通電車で西へ向かう。


小旅行(1)

2019年07月13日 12時30分24秒 | ART
最近、やたらと出張に行っているが、あれは純然たる仕事で何も楽しみが無いのである。色々都合があって、休日をくっつけて美術館に行ったりすることもできない。せめてもの慰めに、夜は飲み屋に行っているが、あれも翌日の事を考えると、控え気味なのである。

そんな中、三連休の初日は軽く札幌近郊に出かけることにした。一日散歩きっぷを買うほどの移動にはならないのだが、JR琴似駅から出発。天候は今一つである。



そして乗り換えなしで、野幌に到着。相変わらず天気はパッとしない。



野幌駅南口からバスに乗り、セラミックアートセンターへ。セラミックアートセンターの裏庭で熊が目撃され、立入禁止になっているという驚くべき掲示が出ていた。



そんな今日、今まで見たことが無い程の車が止まっていて驚いた。江別やきもの市があるから、何かここでもイベントがあるのだろうか?



ここではクラフトマーケットをやっているらしい。しかしながら、中に入ってみるとほとんどが出展者ばかりで(他に陶芸教室の人がいたらしい)、見学の人が大勢いる訳ではない。どういうことなのか。



それでは私の主目的に行こう。

■江別セラミックアートセンター「小森忍・河井寛次郎・濱田庄司-陶磁器研究とそれぞれの開花-」。正直な所、小森は他の二人からすると見劣りがするのではないかと思っていたが、資料の「蔵前工業會誌」に「陶磁器界の三天才」という記事で、この三人の名前が記された記事があった。実際、展示を見ても、それぞれの作風でなかなかやるではないか、という感じだ。

河井寛次郎「碎紅芒目草花文花瓶」:青+紅の色彩の幻想性がさすがである。
濱田庄司「掛合釉指描大鉢」:黒の釉薬をかき取るかのように、「へ」の字23連発。これが濱田庄司(ハマショー)である。
小森忍「吹墨鉢一対(染付・釉裏紅)」:紺と紅の鉢のペア。釉薬を吹き付けたかのような文様が斬新。

河井寛次郎「紫紅壺」:赤紫のグラデーション。河合の得意とする技法と色彩だ。
河井寛次郎「青釉指描鉢」:青というよりも水色のような釉薬。指で描いた文様はミロ風と言ってもいいか。
河井寛次郎「流し描壺」:泳ぐような文様は、岡本太郎風に見えた。

濱田庄司「掛合釉指描花瓶」:花瓶の横腹に大きく「く」の字を3つ。
河井寛次郎「黄釉塗分扁壺」:口は三角形、胴はそのまま丸みを帯び、これはキュビスムを立体化したものではないかと思ったりして。
濱田庄司「白黒釉掛合各鉢」:白と黒の釉薬は純粋なモノトーンというよりは黄色味を帯びているが、モダンデザインである。

濱田庄司「柿釉赤絵角鉢」:角皿の底にぬめるような釉薬の光。
濱田庄司「柿釉青十字掛角皿」:角皿に十字の文様。色はかなり違えども、モンドリアンではあるまいか。
濱田庄司「青釉黒白流描大鉢」:直径55センチを超える大作。釉薬を上からたらりと流し、白黒の格子文様にしているのは実に見事。
濱田庄司「柿釉大鉢」:これもダイナミックな大作だ。皿の表面に丸窓を抜くのに、沖縄の紅型染めの技法(蝋を使う)を参考にしたらしい。

小森の作品は見たことがあるため、つい河合と濱田の紹介に力が入ってしまったが、なかなか面白かった。これだけの作品を(作品番号159まである)、こんなに静かに(他の観覧客は最大で5~6名程度)見ることができるのは、ここならではだろう。



少々待った後に、バスで野幌駅に戻る。