大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

お江戸墨堤花の雲~春爛漫の隅田川堤~

2012年04月09日 14時50分32秒 | 墨田区・歴史散策
観音の甍みやりつ花の雲

俳聖芭蕉が隅田川の対岸に咲き誇る満開の桜越しに浅草観音の甍を眺めている様子を詠ったものです。
江戸時代は浅草観音の対岸である向島の墨堤から浅草観音のお堂の屋根がおそらく見えていたのでしょう。

先週末からつづく最良のお日和でほぼ満開となったお江戸の桜は、どこもたいそうな花見客で賑わっています。今日9日(月)は初夏を思わせる陽気となり、平日にもかかわらず桜の名所は花見の観光客でごった返しています。

墨田区側墨堤の桜
桜とスカイツリー

とりわけお江戸の桜の最大の名所の一つ、墨堤(隅田川)の桜は今を盛りに咲き誇っています。本格的な春の訪れを告げる桜の開花は日本文化を象徴するもので、上品な淡い彩りの花弁がまるで花の雲のように木全体を纏う姿は風雅、風流、風情を重んずる日本人にはまさにぴったりです。

墨田区側墨堤の桜

墨堤の桜は川を挟んで台東区側と墨田区側の両方に広がっていますが、個人的には墨田区側の堤を歩くことが好きなのです。というのも墨田区側は堤に沿って一直線に桜の木が植えられ、それこそ桜の花のトンネルを歩いているかのような楽しみ方ができるからです。

青空を背景に花の雲
墨堤桜並木
墨堤桜並木
墨堤桜並木

また、堤に沿って牛嶋神社、三囲神社、弘福寺、長命寺などの古社、古刹が現れ境内の桜も併せて楽しむことができます。そして花見の時期には欠かせない長命寺の桜もち、言問団子の老舗の味も同時に楽しめるのが隅田区側の花見なのです。

弘福寺側の桜
常夜灯と桜
墨堤の桜並木
長命寺桜もちの店脇の桜

そして向島の花街も近いことから、墨田区側には向島の可愛らしい芸姑さんがいる茶店まであるんです。つい誘われて「きびだんごとお茶」のセット(500円)を注文してしまいました。

茶店の芸姑さん
茶店のきびだんご
対岸台東区側の桜堤

咲き誇る桜から散り行く桜へとほんのわずかな花の生涯を惜しむように、今日そして明日が満開の桜の見納めになるのではないでしょうか。

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