大江戸散策徒然噺 Introducing Japanese culture and history

豊かな歴史に彩られた日本の文化と歴史を紹介

東都花見絵図~深川霊巌寺・芭蕉記念公園・安田庭園・亀戸萩寺・亀戸天神~

2012年03月22日 17時59分34秒 | 江東区・歴史散策
「暑さ寒さも彼岸まで」
何処の寺も彼岸の賑わいを見せる今日この頃、ようやく春めいてきた墨東界隈の春景色を探しにちょいと出掛けてみました。

梅の花越しのお地蔵様
椿の花越しのお地蔵様

「墨東」これすなわち隅田の東、江東、墨田の河岸一帯のこと。まずは本所深川の名刹・霊巌寺の境内に鎮座するお地蔵さまにお参り。江戸六地蔵の第五番として知られている大きな地蔵菩薩です。その地蔵様の傍らにまるで花を手向けたように満開の梅の花と椿の花が咲き誇っています。その花を愛でるように柔和なお顔がなにやら微笑んでいるようにすら見えてきます。

本堂脇の梅の花

ご本堂脇の綺麗に剪定された梅の木にもほぼ満開の梅の花が咲いています。

さて、深川はあの俳聖芭蕉が庵を結んだことがあり、お江戸の中でも最も係わりが深い場所です。隅田川を望むその場所はちょうど小名木川が隅田川に注ぎ込む辺りなのですが、久しぶりに芭蕉翁に会いに芭蕉記念公園に行ってみました。

隅田川を眺める芭蕉翁

「春のうらら」とはいかないまでも、ようやく春めいた日和に隅田川の流れもほんの少し優しくなったような気がします。そんな隅田の流れを芭蕉翁は春の訪れを待ちかねるように眺めていました。
「観音の甍みやりつ花の雲」
深川の芭蕉庵からはるかに遠く浅草観音の方角に目をやると、遠近一面雲と見まがうばかりの桜が咲き連なって、その中に観音の大屋根だけが黒く小さく眺められる、という句意なのですが、残念ながら平成の世では、芭蕉翁が座するここ芭蕉記念公園からはこのような光景を見ることができません。

芭蕉記念公園に隣接する小さな神社、正木神社の祠脇にも白い花をつけた梅の木が…。

正木神社の祠脇の梅の花

萬年橋通りを北上し、新大橋通りを越え一路両国界隈へと足を向けることにしました。
国技館前を進み、次のブロックが「旧安田庭園」です。この庭園はもともとはお江戸元禄時代に常陸国笠間藩主本庄因幡守宗資により造園された大名庭園です。明治維新後は、旧備前岡山藩主池田侯の邸となり、次いで安田善次郎氏の所有となりました。現在は墨田区に管理が移管されています。

旧安田庭園入口

お江戸の代表的な大名庭園である「六義園」や「浜離宮」と比べると、規模や内容に少し見劣りがするかもしれませんが、それなりに整備された庭園なので両国散策のついでに訪問されることをお勧めいたします。

庭内俯瞰
石燈籠

庭内は池を回遊する形で散策路が整備され、ところどころに大きな石燈籠が置かれ、かろうじてかつて大名庭園であったことが偲ばれます。しかしながら庭内には花をつけた木が一本もないことに驚きと若干の失望感を覚えたのですが、唯一、池の端に咲く水仙だけがほんの少し彩りを添えてくれました。

池の端に咲く水仙
石燈籠
庭内俯瞰

池の端の散策路を歩いて見つけたものが一つあります。その路傍に置かれた小さな石燈籠は表面がかなり風化し、かなり古いものではないかと思うのですが、その特徴から「切支丹燈籠」ではないかと勝手に推察しました。というのも燈籠の台座になにやら人物めいたレリーフが彫られています。レリーフにはきちんと二本の足が見えます。このレリーフとして彫られた人物こそ「マリア像」を表し、切支丹禁制の時代にはマリア像の部分は地中に隠し、隠れキリシタンがお祈りをするときだけ土を掘りマリア像を地表に出したと言われています。

切支丹燈籠?
マリア像のレリーフか?

もしこの燈籠がほんとうに切支丹燈籠であるのなら、何故大名庭園に置かれているのか不思議でなりません。

河津桜とスカイツリー

そんな疑問を持ちながら、両国からさほど離れていないスカイツリーの足元を通り、亀戸の萩寺こと「龍眼寺」へ向かうことにしました。名前の通り、秋には境内は萩の花が咲き誇ることで、江戸名所図会で紹介されるほどお江戸の時代から知られている名刹です。しからば彼岸の頃の萩寺には何かあるのではと思い訪れてみました。

萩寺
萩寺

一般的にお寺の境内には四季を問わず、何かしらの花が咲いているもの。ここ萩寺にも境内に植えられた梅の木はほぼ満開状態です。それほど数が多いわけではありませんが、境内に興を添える程度の梅見ごろといったところです。

本社殿脇の紅梅
本社殿脇の白梅
社殿から見た紅梅
境内の梅
枝垂れ梅

梅といえば萩寺から至近にある亀戸天神なので、墨東花見の〆として天神様の梅見へと向かいます。とうに見ごろは過ぎていると思いきや、なんと今を盛りに紅白揃い踏みといった感がします。あと半月もすれば東京でも桜が開花するというのに、彼岸すぎまで観梅とは…。こうなったら梅と桜の競演も期待できるかも…?

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