帰蝶「は?」
赤子を抱えて、入って来た。
信長「止まぬッ」
父が遊んでやるというに泣くとは何事ぞと、ご立腹の様子。
高い高いしてやるも、ぎゃぁぎゃぁ泣いて、根性が足りぬ。
帰蝶「そ…そのややは、」
小折から連れ帰った、側室の、生駒の子だった。
そろ…と手を伸ばし、赤子を殿から受け取った。
「腹を空かせておるだけにございます」
露わになった片胸にややの小さき頭を近づけ、乳を吸わせた。
本能であろう…紅葉のような小さき手で乳房を探り口に含み、
ちゅぱちゅぱ吸い始めた。首を支え、飲ませてやっていると、
信長「生駒が…」
帰蝶「…え?」
産後の肥立ち悪く、寝込んでいる…と告げられた。
体調思わしくなく、乳が出ぬと嘆いておるとも…。
「そ…そうだったのでございますか…」
赤子から視線を外し、顔を上げて殿の御顔を見る。
「と?」
殿の後ろにピタリと貼り付き、
ちょこんと顔を覗かせる子供。
羨ましそうに乳飲み子を見る。
「殿、後ろの、その子は?」
一歳半、二歳かの子供で、
信長「あぁ、これか。丸、挨拶せよ」
殿の後ろから私を警戒し、
そろりそろりと前に出る。
丸、と呼ばれたその子は、クリクリ栗色の瞳で、
丸「はは…か?」
帰蝶「は、は(・・)?」
赤子を抱えて、入って来た。
信長「止まぬッ」
父が遊んでやるというに泣くとは何事ぞと、ご立腹の様子。
高い高いしてやるも、ぎゃぁぎゃぁ泣いて、根性が足りぬ。
帰蝶「そ…そのややは、」
小折から連れ帰った、側室の、生駒の子だった。
そろ…と手を伸ばし、赤子を殿から受け取った。
「腹を空かせておるだけにございます」
露わになった片胸にややの小さき頭を近づけ、乳を吸わせた。
本能であろう…紅葉のような小さき手で乳房を探り口に含み、
ちゅぱちゅぱ吸い始めた。首を支え、飲ませてやっていると、
信長「生駒が…」
帰蝶「…え?」
産後の肥立ち悪く、寝込んでいる…と告げられた。
体調思わしくなく、乳が出ぬと嘆いておるとも…。
「そ…そうだったのでございますか…」
赤子から視線を外し、顔を上げて殿の御顔を見る。
「と?」
殿の後ろにピタリと貼り付き、
ちょこんと顔を覗かせる子供。
羨ましそうに乳飲み子を見る。
「殿、後ろの、その子は?」
一歳半、二歳かの子供で、
信長「あぁ、これか。丸、挨拶せよ」
殿の後ろから私を警戒し、
そろりそろりと前に出る。
丸、と呼ばれたその子は、クリクリ栗色の瞳で、
丸「はは…か?」
帰蝶「は、は(・・)?」