罪人の目を追い、後ろ振り向く、と
帰蝶「と…殿…」
殿が腕組み、私の真後ろにおられた。
話に夢中になり、気が付かなかった。
信長「然様」
腕組みをゆっく…と外し、
除けた火縄銃を手に取り、
徐に構え、
ドンッ
帰蝶「きゃ」
あまりに大きな音に、瞬時耳と目を塞いだ。
破裂音の余韻が消え、恐る恐る罪人を見る。
「空砲…?」
何も起こっていない。海の男は笑っていた。
そして、傍に控える家臣に、
信長「火薬…」を申し付け、
火薬を砲筒に詰め、詰め棒を落とす。
今度は外の的に向かい、鉄砲を構え、
「火…」
火縄に点火させ、
数秒、バチバチ、
音を立て、縄が燃える。
燃え尽き、ドンッ
帰蝶「な…」何が起こったか分からず、殿を見て、扇の的を見た。
的はゆらゆら揺れるに留まり、落ちなかった。
罪人「アンタ、とこっろい戦しとうな」
信長「真まどろこしい(イライラする)」
帰蝶「鉄砲とは…斯様なモノにございますか?」
初めて鉄砲の威力を肌で感じた。しかし、なんと喧しきモノかと思った。
殿の弓矢は美しく静か。一直線で命中率も高い。殿に反し、鉄砲は醜い。
帰蝶「と…殿…」
殿が腕組み、私の真後ろにおられた。
話に夢中になり、気が付かなかった。
信長「然様」
腕組みをゆっく…と外し、
除けた火縄銃を手に取り、
徐に構え、
ドンッ
帰蝶「きゃ」
あまりに大きな音に、瞬時耳と目を塞いだ。
破裂音の余韻が消え、恐る恐る罪人を見る。
「空砲…?」
何も起こっていない。海の男は笑っていた。
そして、傍に控える家臣に、
信長「火薬…」を申し付け、
火薬を砲筒に詰め、詰め棒を落とす。
今度は外の的に向かい、鉄砲を構え、
「火…」
火縄に点火させ、
数秒、バチバチ、
音を立て、縄が燃える。
燃え尽き、ドンッ
帰蝶「な…」何が起こったか分からず、殿を見て、扇の的を見た。
的はゆらゆら揺れるに留まり、落ちなかった。
罪人「アンタ、とこっろい戦しとうな」
信長「真まどろこしい(イライラする)」
帰蝶「鉄砲とは…斯様なモノにございますか?」
初めて鉄砲の威力を肌で感じた。しかし、なんと喧しきモノかと思った。
殿の弓矢は美しく静か。一直線で命中率も高い。殿に反し、鉄砲は醜い。