ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

紗ちゃん、吸うて、吸うて、吸うて

2014-09-12 | ~ 出 産 ~
数分後、看護婦さんが哺乳瓶にミルク30㏄を持って駆け付けてくれた。
初めての哺乳瓶でも、よほどお腹が空いていたのだろう、上手に吸って、
ジュバ、ジュバ、ジュバッ
「上手に飲めたね」
あっという間に30㏄は空になった。
ミルクを飲み終わって、満たされたのだろう、その後、娘はぐっすり眠っていた。
顔をくしゃくしゃに鬼瓦のように泣いていた娘がたったあれだけのミルクで天使に変わった。
満たされた天使の寝顔を見て、私は、ホッとした。
安らかな寝顔をみて、ぽっと、胸が熱くなり、
びくんッ、びくんッ、胸が弾けるのを感じた。
「あれ?金田さん…ちょっといいですか?」
私の胸の変化にいち早く気が付いた看護師さんはビニール手袋を装着し、胸を触診し始めた。
「張ってる…」
四日目にしてようやく…遅咲きの花は実った。
数滴、私のお乳を採取、成分を計ってくれた。
測定結果、分泌も申し分なく、母乳状態良好。
「頑張って吸ってくれてたもんね」
三日三晩、不眠不休で私のお乳タンクを吸い続けてくれたおかげで、胸は刺激され、出る、ようになったのだ。
「小さいのにガッツがあるわ…この子」
看護師さんたちは、うちの子を見てくれていたんだと思った。
私たち親子を、見守って下さって、
「本当に、ありがとう…ありがとうございます」
何より嬉しかった。娘を褒められるとこんなにも誇らしいのか、と思った。
自分が褒められるより、何十倍も何百倍も、嬉しいと思った。
娘の頑張りによって、ミルクは取り止め。
そして、改めて、完母となった。
ちゅー、ちゅー、ちゅー。
お乳を吸う娘を見る度に、母娘の乳のみ戦争が思い出され、じんわり、涙が浮かんで来る。
「紗ちゃん、吸うてくれて…ありがとうね」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。