OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

地球も動いている

2013年01月08日 | 書道・筆文字
最終日の朝日現代書道二十人展へ。
ここは晴れ舞台、表装がいいもの多い。

上野にまわってみるとツタンカーメン展が大賑わいで30分待ちだったが、
となりの芸術院会館で鈴木翠軒「關雲帯雨」を観る。いいね。
片岡球子の面構えシリーズの大作と対峙していた。

都美にまわって、「TOKYO書2013―公募団体の今」を観る。
関東に拠点を置く書の公募団体の中から18団体、38作家による連立個展的な多彩なジャンルの展覧会だ。
これは、長く公募展と関わってきた都美が、その継承と発展をはかるために、公募展活性化企画審査会を設け、新たな風を送ろうとするもので、停滞気味なこの時代に必要とされる試みである。
書部門の審査会の方々に拍手を送る。

それぞれ気合いの入った作品であったが、千葉蒼玄氏の壮大なる山並みを思わせる絵画的作品は賛否両論あろうが、大震災への尽きぬ思いが伝わってくる作品だ。その昔、徳野大空作の「草」のみ書いて草原を思わせる作品があったが、画面的発想としては似ているともいえる。だが、その時代の息吹とこの時代の吐露、内的な発想は別物で、作品は時代が作っていくものと感じる。

都美セレクション グループ展公募に選定された「墨痕」は、日本画と書の若い作家のコラボ展。
武蔵美と大東大出身で共通項は日展作家。新たな発想をこれからも期待したい。

その隣りでは都美が所蔵する昭和の巨匠たちの作品が並んでいた。
比田井南谷の「作品70-2」をしみじみとみた。1970年の作品。大阪万博の年か。

時代の回顧と時代の要請。
少しづつ動いていることを感じた書の世界。

そうそう、そこに向かう前、駅でばったり往年の在野作家であった書家と遇う。
歯医者に行くという。時代は動いている。

水も動いて凍って、氷の花をつくる。




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