OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

方便

2018年06月20日 | 覚書
泰山に金剛般若経が岩面に刻されている。一文字50センチほどだろうか。

といかにも見てきたような言い方だが、私は実際に泰山に登ったことはない。

20代の時に、その「食」という字の拓本を都内の中国文房具店で手に入れた。
将来、雰囲気ある食卓に飾ろうとも思ったのだが、現実は食卓がそうはなっていない。

それから5年ほど経ってか中国に居て、帰る頃、すでに一般人は違反になっていた拓本採りを、どう採ったかは知らないが、
中国の書道仲間が泰山に登り採ってきたものを頂いた。乾拓で、違反を犯して採ったのだろうと予想できる粗さがあった。

どちらもどこかにしまい込んでしまった。

その泰山金剛般若経は、面白いユニークな形をしているのだが、内容に詳しくない。
先達とお話しする機会があって、

金剛経には、「空」という字は出てこないと聞いた。
そういえば、「无(無)」はあるが「空」はない。

だが、どれもどちらも
「空」も「無」も方便である、と。

コメント
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