OGUMA    日々軌 小熊廣美の日々新

規格外の書家を自認している遊墨民は、書は「諸」であるという覚悟で日々生きている。

気楽に綴らせていただきます。

きりたんぽ

2013年12月02日 | 文化・芸術
今日の締めくくりは、堀越さんのオープニングパーティに、煮物など重箱で届けてくれた銀座の小料理屋さんのところへ。夫婦で切り盛りするお店は、あたたかい。きりたんぽ鍋がおいしかった。きりたんぽは、もともとまたぎ食とか。

さて、趣味が絵描きの堀越さんのカンテ、小説書きが趣味の逢坂剛さんのギター、なかなか贅沢である。画廊主の永井さんは誠実で、鑑定団の時と同じでいい味である。

堀越千秋さんANA機内誌の『翼の王国』原画展は、14日まで。東銀座、歌舞伎座近くの永井画廊で。

同じく堀越さんの「土の子」陶芸展は銀座一丁目の画廊香月で7日まで。

12月10日18時半頃、八重洲ブックセンターでは、逢坂さんの出版記念イベントで、今日のカンテとギター続編があるらしい。

堀越さんの自由度、子どものような感性と的確な表現の一体がいい。

さて、その前は、日展へ。
調査委員会の結論がでるどころか、新たな問題が記事となって、収拾どころではないだろう。
構造疲弊をどうするか、で抜本的改革を望みたいところである。

さてさて、その前が、東京美術倶楽部での「翠亭の書」。
これはびっくりだった。
古筆研究中心にオーソドックスな柔らかい書をかく村上翠亭先生は、若いころ実験的なおばQの絵を描いた詩文書作品を残している程度は知っていたが、かくも時代と対峙し、かくも言葉と書線と紙の韻きを丁寧に、また、エネルギッシュに書いてきた作家が現存しているとは。戦争体験からの作品「軍隊」は、1958年発表だったか、新しい書の時代の熱気のなかで、書のゲルニカとも思える様相である。

狙った絵画的な書作品も多い昨今、書的で線性のなかに出来上がってきた空間や造形は魅力的であった。
古筆と現代的な詩文表現が自然に揺れ動いて、それは自然であった。

建築家の高崎さんと偶然会場でお会いしたが、「柔和な人だが芯は勁いと思う」と。その通りだろう。書壇から離れたのも、「頑固だから」と。
弟子ではないが、慕って、それぞれ一線で活躍する筑波大の教え子さんらが今回の展示を支えていたのも、いい風景であった。

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