*2016年7月14日撮影
昨日は久しぶりに日が照って夏が来たようでしたが、今日はまた雨模様に戻りました。
もうしばらく梅雨は続きそうです。
湿っぽい毎日にふさわしく、苔の写真です。
まるで椰子の木のように茂っているのは、ゼニゴケの雌の繁殖体で「雌器托」というものです。
*2016年7月10日撮影
ゼニゴケは日本を代表するような、どこにでもある苔です。
茎と葉の区別がない「葉状体」という葉っぱのようなものが本体です。
地面に深く根を張り、駆除するのは大変困難です。
日本庭園などでは苔類は景観をつくるのに歓迎される存在なのですが、ゼニゴケ類は嫌われています。
*2016年7月10日撮影
ピンボケになっていますが、雌器托が2本伸びていて、黄色い胞子がついています。
下にある葉状体には丸いカップのようなものがついています。
このカップは「無性芽器」というもので、カップの中には「無性芽」という生殖によらない子供がたくさん入っていて、地面にこぼれることで増えていきます。
もちろん生殖によってできた黄色い胞子も、やがて子供になります。
無性芽はごく小さいのですが、その形が小判に似ているというので、銭苔という名がついたとされています。
*2016年6月25日撮影
もういちど雌器托の姿です。みごとに立ち並んでいます。
雌器托は卵子をつくり雄器托がつくる精子を取り込むことで、胞子が生まれます。
胞子はやがて苔の子供に成長するというわけです。
雌器托は胞子を撒き終えると、茶色く枯れていきます。
この写真は、胞子をほぼ撒き終えた姿でしょうか。まだ枯れてはいませんが、黄色い胞子はほとんど残っていないようです。
雄器托は発見できませんでした。
複雑怪奇な苔の世界を少しだけ覗いてみました。