故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。
絵のタイトルは、「よくぞ」です。
沖縄首里城で見た石組です。
島には石が出ない。
さんごの死骸が固まった海辺の岩を切り抜いて、パズルのような石組みを築いていました。
貯めこんだ 使わぬごみと 太っ腹
今日のタイトルは、「ほぼ、皆既月食」です。
午後6時5分にそのショーはクライマックスを迎えた。
カフェの駐車場に車を止めて、二人で今かと見続けた。
いつ、お月さんは復活劇を始めるんだろう。
友人から電話があり、飲み会の場所に向かった。
お月さんの復活劇を見ることもなく、酔っぱらって寝てしまった。
私は、酔っぱらうと話が長くなる。
友人は知っていて、乗ってくると「今日はこのくらいで」と強引にお開きにする。
開いた口をゆっくり戻し、帰路につく。
ああ、悪口を言わなくて済んだ。
いやいや、言い過ぎるくらい言ったあとでした。
酔っ払いが約束したことを守った試しがない。
人間の一生も、「ほぼ、皆既月食」に似ている。
スポットライトを浴びるのは、人それぞれです。
生れたばかりの頃か、棺桶に入った後か。
この「ほぼ」が適当な表現です。
我が家の片づけも、「ほぼ」終わった。
「ほぼ」からの道のりの長いこと。
佳境に入った引っ越し最中に考えた
「そこで、考えついたのが、「ウルトラC」です。
ダンボール箱に入るもので、比較的軽いものは、宅急便で送ることにしました。」
(2021年11月4日投稿記事「ウルトラC」より抜粋)
宅急便用のダンボール箱は、30箱を超える勢いです。
宅急便を出した後に東北旅行をすることにしています。
宅急便代を減額するために、乗用車に少しの荷物を積んで帰ることにしていました。
荷物を積んでいては、旅行気分に影を落とす(水を差す)。
ウルトラDだ。
もっと、捨てよう。
宅急便代より安いものを運んでどうする。
東北旅行の後に、我が家にこっそり寄って荷物を積んで帰ろうよ。
11月25日に旅立ちますと公言している手前、「こっそり」となるのです。
2021年11月20日
タイトルは、「遠くへ行きたい」です。
なんで、そんなこと思ったのか。
今では、気が知れない。
縁の下 祝いの頃に また始め
本日のタイトルは、「あと、10日」です。
4月に移住を決めて、半年が経ちました。
動機は、故郷に恩返しがしたい。
高齢の義母を助けたい、後期高齢者の義姉の相談相手になりたいという希望でした。
共に独居老人です。
母は7月に、そして姉は11月に他界された。
もし存命だったら、どんな展開があったのかと考えると残念です。
中古住宅を購入しました。
人が住まない(1年半空き家)と、いろいろなところが傷んでいるものです。
我々の生活スタイルに合わせる希望も入れたリフォーム費用と、引っ越しにかかった費用と合わせると
購入した金額程になりました。
何度(学生時代に10回、社会人で10回)も転居してきました。
これまでは、自分の好みで転居しました。
住み替えの目的があって、精神的な負担は皆無でした。
今回は、少し違う感覚があります。
短期間でしたが、ここに根を張ったようです。
暮らしに満足していました。
自家製野菜を調理し、お客様に喜んでもらえた。
こんな都合の良い(6次化で理想的です)ことはない。
広い大地に暮らせる幸せを満喫していました。
遠く、山や空を見て生活ができる。
都会では味わえない自然の恵みです。
寒い暑い、不便さえも楽しい。
交流も楽しかった。
村内の誰とも、また若い人とも幅広く話ができた。
勤め人では経験できないことです。
さて、「あと、10日」になりました。
のんびりできない事情があります。
新しい家のリフォームをこの地で相談にのる。
片付けの仕事をしながら、別れを惜しんでいます。
多忙な毎日で、ゆっくり話すことも出来ませんでした。
流れる石は、苔むすことも許されません。
2021年11月15日
絵のタイトルは、「うふふ」です。
昭和記念公園内のコスモス山で見ました。
コスモスと 人間模様 うふふです
今日のタイトルは、「平常心(Part2)」です。
3回目の引っ越しは、壮絶だった。
バーストあり、身内の葬式に間に合い、冷や汗ものの経験となった。
修羅場を潜り抜け、毎日ブログを書いてるから、自分を平静に保てると思った。
奈良のマチュピチュを見てみたいと、吉野に向かいました。
観光客が多いのか、道脇の草はきちんと刈られ花が植えられていた。
吉野山の桜は、春の壮観さを晩秋にも想像できた。
北陸道を南下するとき、白山に冠った雪を見た。
その白山をくぐるトンネルができたと聞いた。
天理を4時に出発し名古屋回りで、大日岳前の峠まで来た。
見える近景は紅葉し、遠景は雪で覆われた高山である。
トンネルをやめて、高速道を降り、山道を富山に向かった。
親知らずを国道8号線で通り抜けた。
上越から魚沼丘陵を抜け、49号線に辿り着いたのは午後6時であった。
我が家に着いたのは、夜の9時半であった。費やした時間は、17.5時間。
走行距離820Km、一昨日の広島から奈良までの距離と合わせると1350Kmを走行した。
道中狭い空間に二人だけなので、寝るか話すかのどちらかである。
年齢を重ねると、独居は厳しいと思う。
他人に話す前に、家族と相談する。
些細なことだけど、実は大事なことだと気づく。
独居で、コロナが猛威を振るうと、一日中会話をすることがない。
こんな時こそ、手紙を書いたり電話をしたりする。
面倒臭いと感じたら、シミュレーションの機会はどんどん減っていく。
身体は疲れている。
まだ、片づけは終わっていない。
お世話になった方々に挨拶をする。
こんなこと、頭をよぎり気が塞ぐ。
そうだろうか。
これまで通り、一つずつ片づける。
これが、「平常心」の支えとなる。
誰かや世間が悪いと考え、スパイラルとなる。
動いて、心と体に汗をかく。
そうするうちに、脳も働くことだろう。
2021年11月14日
<<あとがき>>
2020年2月2日投稿記事「平常心」では、
「案外、口下手で良いのです。
言葉より先に、考えてしまう。うまく言えるかな。わかってもらえるかな。
この一拍が、人生を支える平常心になるのです。
ああ、余計なこと(悪口や泣き言)を言わなくて済んだ。
話を待っている人には、笑顔と映ることだろう。」
と書いている。
平常心とは、心の葛藤中、ふっと我に返る瞬間のことだろうと思う。
普段であれば何でもないことが、突発的に平常心を失う。
日頃の生きざまを反映します。
それも自分であり、人間味ということか。
(記事より抜粋)
小言爺が孫に村岡花子作「タンポポの目」を送りました。
籍入れた 同居人より 声高く
70歳で芥川賞を狙う。
そんなことをうそぶきながら、従弟とリモート飲み会をした。
今日のタイトルは、「小言爺」です。
都知事だった青島幸雄演じる「意地悪ばあさん」は痛快だった。
コロナで外に出るなと、若者が年寄りを家に閉じ込めた。
歩く人がいない田舎の表通りを、一人の婆さんが行ったり来たりしている。
車で通過するたびに、元気いっぱい挨拶をする。
釣られて止まろうものなら、一時間は捕まってしまう。
従弟の親父さんは、89歳。
インシュリンを打つほど、糖尿病で苦しんだ。
研究を重ね食生活を改善し、たまに低血糖になる。
「それは効かぬ」と新薬を進める医者に意見する。
今でも、焼酎の晩酌を欠かさぬらしい。
先輩は、79歳。
年下の小説家が書くものは読まない。
年下の医者の言うことは聞かない。
あの先生の執刀で生きて帰った人はいないのよ。
と、これまた年配の看護師さんから忠告を受ける。
先輩は、さっさと大学病院に転院した。
私は、来年69歳。
芥川賞は、もう少し先に延ばすか。
従弟は、59歳。
定年を控え、私のアドバイスに耳を傾ける。
借金がなければ、年金の他に4万円(車と自分のガソリン代)を稼げば、何不自由なく暮らせるよ。
お返しに映画を私に勧める。
主演は、永野芽郁と天海祐希である。
お年を召すと、身体は動かぬが口は達者である。
いやいや、小言爺は今でも「自分探し」を続けているのです。
何ができるか、何をしようか、誰からも指示を受けない分、自由です。
経験が少し古い分、不自由です。
2021年11月11日
タイトルは、「博多男の心意気」です。
追い山の一か月前から男たちは合宿です。
妻に手を出さぬのが決まりです。
新婚で もうできはったん 秋夜長
引っ越し荷物を軽トラックに積んで、高速道路を走っていた。
いきなり車の制御が利かなくなった。
20mばかり走行して、路肩に寄せることができた。
運よく、パーキングへの登り口の20m手前でした。
エンジンがロック(焼け付いた)したと思った。
1分経過後、エンジンをかけた。かかった。
安全確認をし、外に出てみると、後部右タイヤがバーストしていた。
引っ越し荷物は、傾いたままびくともしない。
任意保険会社に電話し、レッカーを手配した。
1時間後、高速警察が来た。その後、レッカー車が来た。
三角板(後続車へ事故の表示)の不携帯で、減点された。
重量オーバー(?)は不問となった。
警察の許可を取り、その場でスペアタイヤと入れ替える。
ガソリンスタンドで、タイヤを5本新品に交換し、故郷へ急いだ。
ついでに、バッテリーも替えた。
今日のタイトルは、「友は友を呼ぶ」です。
先輩が飲もうと誘う。
指定された寿司屋に行くと、知らぬ人がいる。
その男は、懐かしい故郷の言葉を使う。
お前と同じ島の人で、仕事仲間だと先輩が紹介してくれた。
聞いてみると、私の同級生がその人の上司だった。
中学の時、隣の町までカブを運転し、プレイボーイを買いに行ったやつである。
魚が食べられない先輩は、竹輪とかまぼこをかじりながら面白そうに聞いている。
こんなこと許されるんだ。
私の会社の友人を誘って、先輩と野毛で飲むこと数回。
どの友人も技術者ばかりです。先輩は鉄工所の社長です。
技術の話で盛り上がりました。
それからは、先輩の家で飲む間柄になりました。
なんとしても無事に着こうと、高速道路をひた走る。
パーキングで、兄から電話があった。
義姉さんが死んだ。
私の危機を、義姉さんが一緒に持って、逝ってくれた。
私を呼んではくれなかった。
引っ越し荷物を降ろし、通夜と葬式に出席した。
4月前、買った島の家に行った。
水道局に行き、開栓願いを申請した。
上水道と下水道の管理料を1年2か月分払った。
あれ?下水道料金を請求されなかった。
市役所が紹介する空き家情報には、「排水は下水道」と明記していた。
不動産屋が作成した売買契約書を確認した。
特別条件の項に、下水道用私設配管は施工されてないと明記されている。
もう、ハンコを押し代金を支払った。
納得がいかず、市役所に電話をし、「表示違反」と一言文句を言う。
通夜と葬式の間に、市役所に行き修繕補助金を申請する。
固い対応の印象でした。
翌日、2人の職員が現場(空き家)を訪ねてきた。
「表示違反」の文句を言ったとき、親切に対応してくださった方も一緒でした。
旧知の仲のような対応でした。
職員も島内の人間です。
ここからは60年間島から出なかった妻の登場です。
市役所職員は小学校の教え子のようなもの、
担任は妻の同僚、校長は私たちが小学校の時の担任でした。
知らぬ土地で、地縁血縁がないゆえに溶け込めないと感じたものでした。
その場にいない人の悪口は言わないように気を付けました。
冷や汗をかきながら、地域の人たちの縁戚関係、友人関係を知っていくのでした。
2021年11月10日