さて、S様は、相当お強い剣士であったと風の便りに聞いております。 私も、悪友に誘われまして、2年間大学の剣道部に所属しておりました。 年6回の合宿を経験させていただきました。
特に厳しかったのは、寒合宿と夏合宿でございました。
寒合宿におきましては、五時より稽古です。都下のK市の寒さは相当厳しうございました。我々1年生がまず、雑巾がけをいたします。かけた後から凍るのでございます。
終わるころには、道着から湯気が沸き立っておりました。
夏合宿は、新潟県の山奥でした。山道を越えて道場に行くのです。 延々と続く掛かり稽古。20人から回り、小突かれ突き倒され、道場の壁にたたきつけられ、床に押し倒されます。それでも掛からなければなりません。すり足も習いたてでした。そりゃ地獄でした。1日3回の練習にはついて行くのがやっとでした。
道場からの帰り道の峠で山から流れてくる清流に一時身を投げたものです。
合宿最終日には、宴会がありました。
芸のない私は、床柱にしがみつき、上の方まで昇り、尻を振ってセミをやるのでございます。 疲れ切った体に回る酒、おいでおいでをしている女先輩がいます。
「Oよ、飲ませてやるから来い。」普段ない優しい誘いに、すぐに不覚状態でした。
朝目覚めて、トイレに行きました。おや何か違う。
赤チンが塗られ、つっぱります。
その上、赤いりぼんが巻かれているではありませんか。
いや、やられたと笑おうにも、ほおが動きません。涙が流れてきます。急性アルコール中毒になっていました。
夕方には、寮にたどり着きました。二度とやりたくないと思いました。それから2年やりました。
剣道は、懐かしい。
その道ではご高名なS様、今度一度、稽古をつけていただきますようお願いいたします。 すり足が出来るようになりましたらよろしくお願いいたします。
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