故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

他人の苦しみ

2020-03-14 16:25:47 | よもやま話

絵のタイトルは、「あばたもえくぼ」です。
筍にも豆の房にもなにやら傷のような斑点があります。
見ようによっては、美味しいサインかもしれません。


今日は雪。
「自決した夫がどれだけ辛い思いをしたか考えると、私の苦労なんて」と、奥様は言われた。
夫は、敗戦濃厚な日本を救う技術(ジェット機図面)をドイツから日本へ持ち帰ろうとした。
家族あての遺書だけが残された。
ドイツの潜水艦で日本へ帰る途中に、ドイツは降伏した。
ドイツは、同盟国ではなくなった。捕虜になることを勧められたが、夫は家族の汚名を心配し自決した。

今日のタイトルは、「他人の苦しみ」です。
他人の苦悩は、なかなか分からぬ。
考えようともしない。

年寄りの話を聞くボランティアとして、夫は施設に行った。
夫が聞くどころか、自分の話を聞いてもらってるのよ。と奥様が言う。
他人の話に耳を傾けるのは、甚だ難しい。

私のブログも、人の役に立つなんて思いながら、自分の自慢話をしている。
私も経験者として、年寄として塩漬けになっているのだろう。
自分が生きてきた狭い世間に染まり、知らぬうちに社会(会社)の塩に漬かっている。
塩抜きはなかなかできぬもの。証拠に定年後再就職した子会社に染まることができない。

「他人の苦しみ」に思い至る。
どんなにつらかっただろうと考えるだけで、自分の前のもやもやが晴れていく。
妻の話にも耳を傾けるようになる。不思議ですね。

カフェに来られた80歳オーバーのご婦人二人が、
何の料理を出しても美味しいと言われる。
私は、推測した。
一人きりのご飯は、おかずが少ない。
若い人と同居でも、もう料理は作らない。
若い人は、残ったものを捨てる。旬の野草を料理にはしてくれない。
そんなことで、いろいろと出てくる料理が嬉しいのであろう。

一人住まいのご婦人が、カンリキ(耕運機)で耕してくれると嬉しい。と言われた。
近所なので、畑を見に行った。色んな野菜が植えてあった。取り残しもあった。
3反の畑を鍬で耕しておられる。少しの助けがあれば、好きな野菜づくりを続けられる。
私は、カンリキを軽トラに載せ、畑に向かった。
ほんの一時間、耕した。大いにお礼を言われた。
デイケアでゲームをしたり運動をするより、本当は畑仕事をしたいのである。
できた野菜を子供に送ったり、近所の友人にあげたい。
少しの助けとは、いったいなんだろう。
まずは、「他人の苦しみ」を知ることであろう。
地域活性化は、そんなことから始まるような気がする。

梅花さえ 肩をすぼめる 雪しずく

20203月14日
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