絵のタイトルは、「仕事の後の一杯」です。
今日のタイトルは、「古酒」です。
日本酒は一年も置くと酢になると言われてきました。
一昨日、若い人から誘われて、ある蕎麦屋さんで古酒をいただいた。
若い人より先に店に着き、妻と二人テーブルについた。
おちょこが、12個並んでいた。利き酒のスタイルである。
古酒と言えば、豊島酒造でいただいた貴醸酒(仕込み水は酒)しか知らなかった。
宴が始まり、若い人(夫婦)が次から次に一升瓶を運んでくる。
冷でいただき、同じ酒をぬる燗にする。燗も一合サイズ。
お酒のあては、魚料理であった。
私達が瀬戸内海で育ち、新鮮さを熟知しているため刺身は外されていた。
酒米、酵母、杜氏の話に発展する。酸度、アミノ酸度についても説明を受けた。
古酒の年数が増すごとにまろやかで深みがある。
説明よりなにより、我舌がそう感じる。
辛口でもない。あっても+3程度である。
まいったな。
若い夫婦は、古酒の酒造りに挑んでいると感じた。
古酒を売っている酒屋を教えていただいた。
翌日(昨日)、「古酒が欲しい」とその店に入った。
店主は、満面の笑みで説明を始めた。
昔ながらの町並みのなかにその店はあり、古酒だらけであった。
儲けを度外視して、自分の主張を通した品ぞろえである。若い人が仕込んだ酒もあった。
どうして古酒が生まれ、飲み継がれてきたのか、工夫を教えていただいた。
古酒と言えば、蒸留酒の範疇と覚えていた。
特に、泡盛の世界では常識である。
沖縄の物好きは、泡盛を車のボンネットに保管し、促成古酒を作られる。
酒は、新酒を尊ばれる。軒に吊るされた杉球を目当てに客は集まる。
店主が、初心者用にと古酒を選んでくれた。私は4本(一升瓶)購入した。
有名な大吟醸酒よりずっと財布にやさしかった。
夕方、農作業を終え、妻と古酒をいただいた。一昨日は運転手をしたねぎらいである。
二人で二合。冷で飲み、ぬる燗でいただいた。
妻の感想は、今までにない眼の開きでわかった。
友人と、密かに酒盛りをしたい。
事前に、どの酒も一合だけ飲もうと思う。
枯れる迄 出会い驚き 古酒愛でる
2020年9月3日