畑こうじ情熱ブログ

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東日本大震災復興特区法改正の顛末3

2014年04月30日 10時29分53秒 | Weblog
 改正案を、与野党どちらが早く提出するかの競争状態になりました。与党は、25日午前に自民党の総務会、午後4時から公明党の役員会で正式了解をもらって提出する動きでした。野党側は、民主党の「ネクスト閣議」での正式了解待ちで、そのネクスト閣議が午後5時からの予定でした。このままでは、本家・元祖法案作成側としては、与党の提出に遅れをとってしまいます。したがって、民主党の桜井政調会長に25日朝に電話して、ネクスト閣議の冒頭で処理して直ちに提出できるようにお取り計らいいただきたいと、お願いしておきました。すると、桜井さんは、ネクスト閣議にかけるまでもなく、25日昼の役員会で一任をもらって提出できるように、非常に柔軟な対応をしてくれました。これに至るまでには、復興特別委員会の野党側筆頭理事である黄川田議員の働きかけもあったようです。自分の党の法案以上の柔軟で協力的な扱いをしてくれたことに大変感謝しています。そして、もう一つありがたかったのは、共産党の高橋千鶴子議員です。昨年11月に復興特別委員会で法律改正の必要性を指摘し、2月3日の予算委員会で法案を提示して以降、復興特別委員会理事会や野党政策実務者会議で、私の法案に賛成の論陣を張ってくれました。時間がない中でのお願いで恐縮でしたが、24日に提出に当たっての法案賛同者(衆議院で法案提出には20人以上の賛同者が必要なのです。法案賛同者には、共産党の高橋千鶴子議員、社民党の吉川議員、照屋議員にもなっていただきました。したがって、実質的には全野党共同提案と言ってもよいものです。)に名前を連ねていただきたいというお願いに、「もとよりそのつもりでしたよ。」と快諾してくれました。ということで、野党案は、午後4時、与党案は午後5時の提出と相成りました。面目が立ちました。さらに、共同提案者となっていただいた結いの党の林宙紀議員、みんなの党の中嶋克仁、とりまとめていただいた和田正宗参議院議員には厚く感謝申し上げます。

 その後、25日の週に、まず、自民側から2名、野党側から2名(黄川田議員と私)で非公式に一本化の協議を行いました。これに先立って岩手県や日本弁護士会から問題点、危惧される点もヒアリングしておきました。私は、「緊急使用の期間を延長するとしても6ヶ月から1年にフィックスするのは良くない。権利保障の観点から、更新期間に制限を設けるとしても、1年の後に関係者の意見聴取など厳格な手続を経た上であと1回に限って必要最小限の範囲内で延長できるようにすべきだ。」ということと、「現行法の規定ぶりを前提にしつつも所有者等の調査義務を条文上軽減する規定を入れるべき。具体的には、補償金の供託の要件規定を緩和(「過失なくして探知」から「重大な過失なくして探知」できる範囲。言葉遊びのようですが、「過失」を「重大な過失」と緩和することは本質的な違いを生みます。現地調査まで求められずに公簿等でわかる範囲で調べられた範囲の所有者等に支払えば足りることになります。)。この際に、ある自民党議員は、「畑さんの案が提出される段階となって、対応を党内で検討しましたよ。反対すれば悪者になる。さりとて、野党案に乗ることもできない。結局、このようなやり方をしました。」と言って、私の案をもとに検討して同様の案をぶつけてきたことを図らずも語っていました。

 4月3日の復興特別委員会で、一般質疑の後に与野党の法案それぞれの趣旨説明がなされました。野党案の趣旨説明をもちろん私が行いました。その前の質疑で、根本復興大臣の与党案が25日に出された後の記者会見の、与党案を評価し政府もこの必要性は認識していた旨の発言にあまりにも頭に来ていたので、かみつきました。「2月3日の予算委員会で法案をパクっていただいて結構ですと、私が言いましたが、私の案をもとに与党が検討していただいたようで誠に光栄です。」と言い放ちました。このばくり発言が自民党の某議員を激怒させたようで、その後一週間ほど修正協議が開かれずに与党側から放っておかれました。与党の他の議員や黄川田議員が取りなすのにかなり大変だったようです。ただ、私は、与党がぱくったとは言っていません。「ぱくっていただいて結構ですと言ったら、私の案をもとに検討していただいて光栄です。」と言ったのです。某議員には正確に聞いていただきたいと思います。その後に、与党側も私に対してかなり気を遣うような感じになりました。人間怒るべき時には怒るべきです。

 その後に、何とか収まって、4月7日の週に提出会派(自公、生活、民主、結い、みんな)で修正協議が行われました。緊急使用の再延長については、自民党の大島復興本部長の反対があり飲めないということだったので、私も妥協しました。ただし、その代わりに委員会決議で運用をきっちり縛ることにしました。この委員会決議を起草して与野党の了解を得ました。官僚組織のやり口にかなり不信感を持っていましたので。その他のもう一つの修正提案である、調査義務の軽減は与党側は飲んでくれました。

 14日の週には、復興特別委員会が開催され、一本化した案を委員長提案とすることに決しました。この際の委員会決議の趣旨説明を私が行ったのですが、ここでも一悶着ありました。決議は案文の朗読をもって趣旨説明に代えるのが慣例のようですが、私は、案文の朗読の前に、決議を起草した趣旨をアドリブで述べました。決議自体は全会一致で可決されたのですが、終了後、これに例の自民党某議員がかみついてきました。「決議を読む以外の発言をするのであれば、事前に各党に了解をとっておくべきだ。ルール違反だ。その部分は議事録から削除すべきだ。」と言ってきました。私ははらわたが煮えくりかえる思いでしたが、大人の対応をしておきました。これも言っておきますが、私は、決議の案文は変えずにそのまま読んでいます。決議を変えるのなら彼の言う通りでしょうが、決議の前に説明を加えるのに何の了解が必要でしょうか。そんなことを言うのなら、委員長の法案の趣旨説明も、私にとっては問題だと思う部分があり、協議がなかったと言いたい部分があります。法案の中身の前に、趣旨の部分で、「これまでもうまくいっていたが、今後の活用の促進を勘案して使い勝手を良くするための改正だ。」という言い方です。これまで問題があったからこそ、改正をするのです。言い方を微妙にねじまげてはいけません。それこそ、ルール違反です。いずれにしても、ユーチューブなどで私のオリジナルの発言が見られるはずですので、何ら問題ない発言であることを確認して下さい。難癖をつけているのはどちらかわかるはずですから。

 これまで、下げたくない頭も下げ、いろいろな仕打ちを受け、ここまで忍の一時で耐えてまいりました。数の少ない政党の議員が自分の法案を通すためには仕方がありません。途中過程は誤算があったとは言え、結果的には、結論は委員長提案という当初のシナリオの通り持って行くことができました。これからも、パフォーマンスではなく、必要なことを筋を通して実現するために全力でがんばってまいることをお約束します。
(完)



写真は、4月3日の復興特別委員会で、私が法案の趣旨説明を行ったときのものです。