中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

メンタルヘルス不調者が多いのは

2013年01月29日 | 情報
同じようなテーマで、'12.11.15に掲載しました。
メンタルヘルス不調者が多いのは、大企業なのか、中小企業なのか?という疑問です。
因みに、拙著『中小企業の「うつ病」対策』では、労務行政研究所のデータを採用しています。

定性情報なのですが、最近、判明したことがあります。
それは、企業規模が小さいほど、メンタルヘルス不調になった段階で、退職を余儀なくされるということです。
中小・零細では、休職制度がない企業がたくさんあります。
休職制度は、法令で定めらているわけではありません、企業が任意で実施する制度だからです。
休職もできない、仕事もできないでは、退職に追い込まれることもやむを得ないのでしょう。
こういう労働者が、データに表れないのも無理からぬものがあります。

一般論になりますが、調査データは、定量調査であっても、無条件で信用するのは問題があります。
調査データは、数字に付随する情報をすべてそぎ落として、単純化したデータですし、
調査は、仮説に基づいて実施するものであり、仮説を検証する作業でもあるからです。
そもそも仮説に無理があれば、結論もねじ曲がることも大いにあるからです。
仮説を盲信することは、危険なことなのです。
わたしたちは、調査データの裏に隠れている「真実・実態」を読みとる能力が必要です。
現役時代は、多くをマーケティング分野にいましたので、その重要性は認識していましたが、
労働安全衛生の分野においても、データを読む力は、重要だなと実感しています。

メンタルヘルス不調のため1か月以上欠勤・休職している社員の全社員に対する割合
労務行政研究所 2008年調査
合計 : 0.49%
1000人以上 0.40%
300~999人 0.43
300人未満 0.94

平成19年労働者健康状況調査「事業所統計調査第35表過去1年間においてメンタルヘルス上の理由により
連続1カ月以上休業又は退職した労働者数割合」から

      休業者  退職者
合計    0.3% 0.1%
5000人以上 0.6  0.0
1000人以上 0.8  0.1
300人以上  0.6  0.1
100人以上  0.5  0.1
50人以上  0.4  0.1
30人以上  0.3  0.1
10人以上  0.2  0.1

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