中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

身近なアンコンシャス・バイアス

2021年07月07日 | 情報

1.内閣府男女共同参画局HPより転載

アンコンシャス・バイアスへの気づきは、ひとりひとりがイキイキと活躍する社会への第一歩

https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2021/202105/202105_02.html

アンコンシャス・バイアス(unconscious bias)を御存知でしょうか。
これは、日本語で「無意識の偏ったモノの見方」のことです。
他にも、「無意識の思い込み」「無意識の偏見」「無意識バイアス」等と表現されることもあります。

Q.アンコンシャス・バイアスとは、具体的にはどういった事例がありますか。

A.日常のあらゆる場面で起きています。例えば、次のような例が挙げられます。
これらはほんの一例ですが、アンコンシャス・バイアスは、日常や職場にあふれています。

  • 血液型をきいて、相手の性格を想像することがある
  • 性別、世代、学歴などで、相手を見ることがある
  • “親が単身赴任中です”と聞くと、まずは「父親」を思い浮かべる(母親は思い浮かばない)
  • 「性別」で任せる仕事や、役割を決めていることがある
  • 男性から育児や介護休暇の申請があると、「奥さんは?」と咄嗟に思う
  • 子育て中の女性に、転勤を伴う仕事の打診はしないほうがいいと思う

Q.個々人が持っているアンコンシャス・バイアスはそれ自体が問題なのでしょうか。

A.アンコンシャス・バイアスは誰にでもあって、あること自体が問題というわけではありません。
過去の経験や、見聞きしたことに影響を受けて、自然に培われていくため、
アンコンシャス・バイアスそのものに良し悪しはありません。
しかし、アンコンシャス・バイアスに気づかずにいると、そこから生まれた言動が、
知らず知らずのうちに、相手を傷つけたり、キャリアに影響をおよぼしたり、
自分自身の可能性を狭めてしまう等、様々な影響があるため、注意が必要です。

ひとつここで、「“親が単身赴任中です”と聞くと、まずは「父親」を思い浮かべる」を
事例に考えてみましょう。

「まずは、父親を思い浮かべる」ということ自体に、良し悪しはありません。
ただし、「単身赴任という働き方を選択するのは、普通、父親だ」という
アンコンシャス・バイアスに気づかずに、単身赴任の母親に対して
「え?母親なのに単身赴任?お子さん、かわいそうね…」といった言動が、
母親や、家族を傷つけることがあるかもしれません。
また、性別で任せる仕事を決めつけてしまい、成長やキャリアに影響を
及ぼすこともあるかもしれません。

Q.アンコンシャス・バイアスは解消できるものでしょうか。

A.具体的な対処法を3つお伝えします。

対処法1 決めつけない、押しつけない

アンコンシャス・バイアスから生まれる言動には、「普通そうだ」「こうあるべきだ」
「どうせムリだ」といった、決めつけや押しつけが挙げられます。

例えば、「子育て中の女性は、普通、長期出張は無理だ」、
「この仕事は、たいていの男性には無理だ」といったように、
自分の決めつけや押しつけの言動に気づいたなら、
「これは、私のアンコンシャス・バイアスかも?」と疑ってみてください。
頭ごなしに決めつけないこと、ひとりひとりと対話をしてみること、
相手を尊重する心の姿勢を持つことがカギを握ります。

対処法2 相手の表情や態度の変化など「サイン」に注目する

相手の心のあと味が、サインとなってあらわれます。「急に表情が曇った」
「声のトーンが変わった」「キーボードを打つ音が大きくなった」
「オンライン会議中に急にビデオがOFFになった」といったサインに気づいたなら、
「私のアンコンシャス・バイアスによる言動が、相手の心のあと味を濁したかも?」と、
ぜひ立ち止まってみてください。違和感をそのままにせず、フォローを心掛けてみてください。

対処法3 自己認知

アンコンシャス・バイアスの正体は「自己防衛心」です。脳が無意識のうちに自分にとって
都合のよい解釈をすることによって起きています。
自然の摂理であり、完全に払しょくすることはできません。
だからこそ、大切なことは、アンコンシャス・バイアスに気づこうと、
ひとりひとりが意識することです。

「これって、私のアンコンシャス・バイアス?」と自分に問いながら、
アンコンシャス・バイアスのメモを1~2週間とってみることもお薦めです。
(詳細は、参考参照) 自分のモノの見方のクセや、思考のクセに気づけるかもしれません。

 

2.連合(日本労働組合総連合会)HPより転載

https://www.jtuc-rengo.or.jp/action/diversity/

気づこう、アンコンシャス・バイアス~真の多様性ある職場を~

○アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)を知っていますか?

アンコンシャス・バイアスは、「無意識の思い込み、偏見」と訳され、
誰かと話すときや接するときに、これまでに経験したことや、見聞きしたことに照らし合わせて、
「この人は○○だからこうだろう」「ふつう○○だからこうだろう」というように、
あらゆるものを「自分なりに解釈する」という脳の機能によって引き起こされるものです。

○アンコンシャス・バイアスは誰にでもあるものです

アンコンシャスバイアスは日常にあふれていて、誰にでもあるものです。
ただ、あることそのものが悪いわけではありません。
問題なのは、気づかないうちに、「決めつけ」たり、「押しつけ」たりしてしまうことなのです。

私たちは同じモノをみていても、一人ひとり「解釈」は異なります。

例えば、「真面目ですね!」といわれて、嬉しいと感じる人もいれば、
何も思わない人がいるといったように、です。

私たちは、アンコンシャス・バイアスがキッカケとなり、無意識のうちに(知らず知らずのうちに)、
相手を傷つけたり、相手を苦しめたりしていることがあります。そういった事に対処するためにも、
誰もが知っておいたほうがよいと思われる概念として、近年注目をあびるようになりました。

○日常の中のアンコンシャス・バイアスの例

ステレオタイプ人の属性をもとに先入観や固定概念で決めつけてしまう正常性バイアス問題が
あっても、「私は大丈夫」と思い込んでしまう確証バイアス自分の考えや経験則を
正当化する情報ばかりを探してしまう権威バイアス権威のある人の言うことは、
間違いないと思い込む集団同調性バイアス周りと同じように行動しようとする

○人や組織に影響する様々なアンコンシャス・バイアス

主に「決めつけ」や「押しつけ」というアンコンシャス・バイアスが起因して、
職場やそれ以外の人間関係にも影響を及ぼすことがあります。

・「“普通”そうだ 、“たいてい”こうだ」という価値観の決めつけ
・「どうせダメ、きっとムリ ・そんなことできるわけない 」などの能力の決めつけ言葉
・「そんなはずはない 、こうに決まってる」 などの解釈の押しつけ言葉
・「こうある“べき”だ 、こうでないとダメだ」という理想の押しつけ言葉

○職場での問題例

・人間関係が悪化する
・組織風土が悪くなる
・風通しのいい対話がなくなる
・ハラスメントがうまれる
・コンプライアンス違反がおこる
・イノベーションがうまれにくい
・ダイバーシティが推進されない
・職場の雰囲気がギスギスする

○人間関係

・ヤル気がなくなる
・自分を過大評価/過小評価する
・ネガティブになりがちになる
・イライラが増える
・言い訳が増える
・挑戦できなくなる
・成⾧の機会を失う
・遠慮がちになる

○大切なこと

アンコンシャス・バイアスは日常にあふれていて、誰にでもあるものです。
ただ、あることそのものが悪いわけではありません。

問題なのは、気づかないうちに、「決めつけ」たり、「押しつけ」たりしてしまうことなのです。

アンコンシャス・バイアスがある、ということを意識し行動することでよりよい職場や
社会の実現に近づきます。

職場にあふれている「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み・偏見)」に気づくこと、
それが連合の目指す、真の多様性ある職場への第一歩です。

○身近なアンコンシャス・バイアスの例

・体力的にハードな仕事を女性に頼むのは可哀そうだと思う
・お茶出し、受付対応、事務職、保育士というと、女性を思い浮かべる
・「親が単身赴任中」というと、父親を想像する(母親を想像しない)
・DV(ドメスティック・バイオレンス)と聞くと男性が暴力をはたらいていると想像する
(女性を想像しない)
・こどもが病気になったときは母親が休んだほうがいいと思う
・育児中の社員・職員に負荷の高い業務は無理と思ってしまう
・定時で帰る人は、やる気がないと思う
・上司より先に部下が帰るのは失礼だと思う
・年配(高齢者)の人は頭が堅く、多様な働き方への融通が利かないと思ってしまう
・「普通は〇〇だ」「それって常識だ」と思うことがある
・パートタイマーは、「主婦が家計補助のために働いている」というイメージがある
・非正規雇用で働く人は、自分で望んで、その働き方を選択していると思う
・外国人労働者をみると、出稼ぎなど、一時的な滞在者だと思う
・外国人労働者は日本の企業文化にあうのか、つい心配になる
・介護しながら働くのは難しいと思う
・障がいのある人は、簡単な仕事しかできない、あるいは働くのが難しいだろうと思う
・病気治療しながら働いている人をみると、仕事をやめて治療に専念した方が良いと思う
・LGBTであると聞くと、戸惑いを感じてしまう
・LGBTの人は一部の職業に偏っていて、普通の職場にはいないと思う
・「多様性」と聞くと、全ての違いを、なんでも受け入れなければならないことだと思う

※小職註;いずれも、一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所(守屋 智敬氏)の資料を
ベースにしています。

 

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