〇 当該企業は、過去にも同様な事案を数件、惹起しています。
小職の経験、知見では、企業体質というものは、そう簡単に、あるいは「一朝一夕」に変われるものではないのですね。
だからといって許されることではないのですが。
ただし、中小規模の企業においては、経営者の考え方ひとつで、どのようにもなります。
〇 コマツ社員の自殺を労災認定 名古屋高裁が労基署処分取り消し
2024年9月26日 中日
建設機械大手コマツの神奈川県内の工場に勤務していた男性社員がうつ病で自殺したのは、
上司のパワハラなどが原因だとして、中部地方の遺族が国に労災認定を求めた訴訟の控訴審判決で、
名古屋高裁(長谷川恭弘裁判長)は26日、因果関係があるとして、労災を認めなかった労働基準監督署の処分を取り消した。
判決によると、男性は2019年2月に自宅で自殺。平塚労基署は20年7月、業務による強い心理的負荷があったとは言えないと判断し、
一審名古屋地裁も「心理的負荷はうつ病を発病させる程度ではなかった」として...
〇 コマツの労働安全衛生対策 コマツHPより抜粋・転載
・「健康づくり中期計画」の推進
コマツグループでは2014年度より「質の高い健康管理の実施」および「社員のヘルスリテラシー※の向上」を目的とし、「健康づくり5カ年計画」を策定、続いて2019年度には「第二次健康づくり計画」を策定し、2023年度はこの計画のもと活動を推進してきました。「第二次健康づくり計画」では、前中期計画の活動を継続しつつ、「社員のヘルスリテラシーの向上」を目的に、両立支援の強化や一次予防(生活習慣の改善)、ICTツール等の導入など環境・仕組みの整備し、生涯にわたる「健康文化づくり」の推進を図っております。
メンタルヘルス対策
・取り組み内容
メンタルヘルス不調者の低減、早期対応・適切な職場復帰支援、および明るくいきいきと働ける職場づくり
・評価指標
高ストレス者への面談勧奨に対する返答率 22年度 99.0%、23年度97.7% 24年度目標 100%
(参考)ストレスチェック実施率 22年度 99.0%、23年度 97.7%、
24年度目標 100%
高ストレス職場への対応率 22年度 97.0%、23年度 100.0%、
24年度目標 100%
・メンタルヘルスに関する教育
内容
労働安全衛生法の規定に基づき、メンタルヘルスに関する教育研修を実施しています。2006年からストレスチェックを開始し、2007年度からはストレス学習も開始し、全国内グループ会社の社員を対象として実施しています。
2023年度実績
ストレスチェック・学習
13社、22,898名に対して実施
管理職に対する啓発資料
「こころのサポート便り」をグループ内管理職に隔月(偶数月)で発信
労働安全衛生マネジメントシステム認証取得状況
国内コマツグループでは2007年度から各事業所にて中央労働災害防止協会方式OSHMS認証・更新を推進してきましたが、2018年度から国際規格ISO45001の統合認証取得に向けて活動を進めています。2019年4月に大阪工場がISO45001を先行取得し、その他事業所およびグループ会社は2020年4月に統合認証を取得しました。
また、海外も同様にOHSAS18001認証・更新を推進してきましたが、2018年度からISO45001認証取得を進めています。
なお、ISO45001認証では、社内の労働安全衛生マネジメントシステムにおいて以下のような活動が適切に管理されていることが認められています。
職場に害を及ぼす可能性のあるものを特定するための労働安全衛生リスクとハザードの評価
労働安全衛生リスクに対処するための定量的目標を持つ行動計画の優先順位付けと統合
緊急事態に備え、対応するための行動
健康問題リスクの低減・予防の目標に対する進捗評価
内部監査
業務上の怪我、体調不良、病気、事故に関する調査
従業員の意識を高め、業務上の安全衛生事故を減らすための従業員やその他の関係者に提供する労働安全衛生活動
調達や契約上の要件に労働安全衛生に関する基準を導入