中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

衛生委員会を活性化するには

2013年05月28日 | 情報
衛生委員会がうまく行かない、マンネリ化する、議題が見つからない等で
衛生委員会を活性化するにはどうしたらよいのか、という質問をたくさんいただきます。

まず、何回も言及していますが、50人以上の事業所においては、法令で定められていますので、
(安全)衛生委員会を毎月1回実施しなければなりません。
ですから、最初に法令通り、(安全)衛生委員会を設置して、毎月1回以上実施しましょう。

しかし、平成22年労働安全衛生基本調査(厚労省)http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/49-22.htmlでは、
安全衛生委員会等を設置している事業所の割合は84.7%[前回76.2%]となっています。
なかでも設置義務のある50~99人の事業所では、78.8%に止まっており、
2割以上の事業所に安全衛生委員会等が設置されていません。

次に、設置している事業所での悩みは、(安全)衛生委員会で取り上げる議題がない、ということです。
それから、(安全)衛生委員会を実施しているのだけれども、マンネリ化している、または盛り上がらない、という問題です。

解決策を提案します。
・委員会の委員長は、必ず事業所トップにしてください。中堅以上の企業であれば、人事部長でしょう。
・委員長は、委員会開始から終了まで、必ず出席してもらってください。
・事務局は、事前に委員長に対し、議題を案内しておきます、即ち、根回しです。
・委員長は、必ず定時までに出席します。
これだけで、、(安全)衛生委員会は劇的に変化します、間違いありません。
少し時間が経過すれば、委員から事務局に対し、事前に議題について問い合わせが入るようになります。
なぜなら、日本の殆どのビジネスパースンは、上を向いて仕事をする、いわゆる「ひらめ人間」だからです。
ただし、これだけでは「かたち」作りだけに終わる可能性があります。

次に、産業医には必ず出席してもらいましょう。
上記の調査で、衛生委員会への産業医の出席率は、34.8%にすぎません。
安衛法上では、産業医は、(安全)衛生委員会に出席しなければなりません。
付け加えれば、(安全)衛生委員会においての、産業医という「第三者」の視点はとても重要です。
・議題は、定期健康診断の受診率向上対策から始めましょう。
・さらに、記録をとり、必ず事業所全員がチェックできるようにします。
・議題には、番号を振り、何時、誰から発案されたのか明確にしておきます。
・解決しない議題は、解決するまで継続して審議します。
・走り出したら、あとは止まることなく、PDCAサイクルで進めます。
 
とりあえず、以上の項目が実行できれば、(安全)衛生委員会は、成功の軌道に乗せることができます。
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