19日は、出張しますので当ブログを休載します。
再開は、20日(火)です。
よろしくお願いします。
◎労災事故が起きたら、事業主・企業は、決められたルールに従って実務対応しなければなりません。
安衛則第97条、労基法施行規則第57条
事業者は、労働災害等により労働者が死亡又は休業した場合には、
遅滞なく、労働者死傷病報告等を労働基準監督署長に提出しなければなりません。
◎しかし、精神疾患の事案だけは、事案が惹起した段階では、労災なのか、私傷病なのかをにわかに判別することができません。
ですから「べつもの」というのが現状です。
ご承知のとおり労災申請の多くは、会社側が代行して手続していますが、
精神疾患の場合は、私傷病であるとして労働者に申請手続きを委ねているのが現状です。
しかし、労働者やその遺族から請求書に関する証明を求められた場合には、基本的に、会社側は協力する度量があることを示してください。
労災保険法施行規則第23条2項(事業主の協力等)
保険給付を受けるべき者が、事故のため、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、
事業主は、その手続を行うことができるように助力しなければならない。
2 事業主は、保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、すみやかに証明をしなければならない。
◎なお、原則として会社側は協力することが求められますが、納得できないことまで協力する必要はありません。
◎請求者(本人または、遺族)は、労災であると考えたら、労災の保険給付を受けるために、
当該労働者が働いていた会社の地域を担当する労基署に請求することになります。
◎労災発生に関わる事業主の責任・義務(厚労省HPより)
事業主には、労働災害の防止義務・補償義務・報告義務があります。
事業主は、労災を防止するため、労働安全衛生法に基づく安全衛生管理責任を果たさなければなりません。
法違反がある場合、労災事故発生の有無にかかわらず、労働安全衛生法等により刑事責任が問われることがあります。
労災事故が発生した場合、当該事業主は、労働基準法により補償責任を負わねばなりません。
しかし、労災保険に加入して いる場合は、労災保険による給付が行われ、事業主は労働基準法上の補償責任を免れます
(ただし、労災によって労働者が休業する際の休業1~3日目の休業補 償は、労災保険から給付されないため、
労働基準法で定める平均賃金の60%を事業主が直接労働者に支払う必要があります)。
したがって、労災保険に加入し ていない場合は、労働基準法上の補償責任を負うことになります。
また、場合によっては、労働基準法上の補償責任とは別に、当該労災について不法行為・債務不履行(安全配慮義務違反)などの
事由により被災者等から事業主に対し民法上の損害賠償請求がなされることもあります。
なお、この場合には、二重補填という不合理を解消するため、上記の労働基準法に基づく補償が行われたときは、
その価額分は民法による損害賠償の責を免れることが労働基準法で規定されています。
その他、労働災害が発生した場合、労働基準監督署にその労働災害を報告(労働者死傷病報告)しなかったり、
虚偽の報告を行ったりした場合にも、刑事責任が問われることがあるほか、刑法上の業務上過失致死傷罪等に問われることがあります。
◎疑問が残る場合には、所轄の労基署に相談してください。
労災保険給付の不服申し立て(厚労省)
https://jsite.mhlw.go.jp/tottoriroudoukyoku/content/contents/28rosai_fufukumo.pdf