
日本人の読書離れが激しくて、リアル店舗の書店が、どんどん潰れている。
今日、インターネットを叩いていたら、産経新聞の面白い書店関係の記事が、2件見つかった。
まず、”コンビニが「読者」を呼び込む 書店が減少する中、読書ニーズを掘り起こせるか”
出版不況やネット販売の台頭に伴い、本を実際に手に取って買える書店が減少する中、コンビニがお客と本を結びつける場として注目を集め始めている。限定本の発行、書棚の設置、書店との協業…。コンビニは新たな読書ニーズを掘り起こせるか。(加藤聖子)と言うのである。
セブン-イレブンでは、10月にセブン&アイグループ限定で販売するオリジナル新書(セブン&アイ出版)を創刊した。
ローソンでは、書籍専用の棚がある店を続々と増やしている。
ファミリーマートでは、書店との一体型店舗を24時間営業で展開し、コンビニ部分と書店部分に仕切りはなく、イートインスペースなども備える。等々
また、産経デジタルでは、”えっ、盗まれないの? 無人の古本屋は、なぜ営業を続けられるのか”
三鷹駅から徒歩15分ほどのところにある、無人古本屋「BOOK ROAD」
ちょっとユニークな古本屋で、商店街に面した店舗の広さは、たったの2坪。4つの棚が並んでいて、そこに500冊ほどの本が並んでいる。普通の書店にはスタッフがいて、レジが置いてある。しかし、この店には誰もいなくて、レジも置いていない。24時間営業で、扉にはカギもない。
300円と500円のカプセルトイ本体が設置されていて、本の後ろに価格が記されているので、値段分のカプセルを購入すれば、会計は終わり。と言うわけである。
質の悪い有象無象の来るところではなく、本を愛する上客だけが来る場所を選んだので、24時間開けっ放しでも、店に殆ど訪れなくても、盗難などなくて、黒字経営だと言うのである。
神田神保町の古書店で、店頭のワゴンから、本を数冊抜いて、そのまま、通り過ぎた若者がいたが、こんな所で出店してはダメなのであろう。
また、先日、”入場料を取る書店が大はやり“と言う記事も目に付いた。
閉店した青山ブックセンターの跡地に「文喫」という新しい書店がオープンし、店の入口で1500円+消費税を払うと、バッジが渡され、入店できる。
空間的にゆったりとした余裕があるカフェ、といった感じで、営業時間は朝9時から夜11時まで。本は読み放題。コーヒーは無料で、食事もでき、何時間でも滞在できる。
店内には3万冊の蔵書がある。新刊だけではない。
休日には10人以上が入店待ちという人気店で、多い日には200名ほどが来店。滞在時間は平均3~4時間。来店客の4割が書籍を購入し、これは通常店舗の4倍であり、さらに客単価は通常店舗の3倍である。入場料、飲食料、本の売り上げを全部合わせると、収支が取れているという。
文喫は出版取次で最大手の日本出版販売(日販)のグループ会社が運営している。と言うから、文句なしの新しいビジネスモデルである。
書店の価値の本質は、「それまで知らなかった知識との偶然の出合い」である。知らなかった知識との偶然の出合いは、過去の購買履歴を基にしたネット販売のリコメンド機能では決して得られない。だから、私たちは書店に行くと知的好奇心がくすぐられ、どこかワクワクする。そして、本に囲まれた環境に居心地のよさを感じ、長居したくなる。
入場料を取る書店・文喫が目指したことは、まさにリアル書店への原点回帰なのだ。
と、この記事の作者永井 孝尚さんは、言う。
閉店したジュンク堂新宿店の店長が、
「リアル書店が果たさなければならない役割がある。『こんな本があります』という提案型の売り場作りや、実際に本を見て選んでもらえるのは、リアル書店だからこそです」と言う。
また、北海道の某書店が、予算に見合った客の希望を見つくろって本を選んで、客に提供する手法で成功していると言う記事もあった。
要するに、活字離れ本離れで、本の出版が半減して、リアル書店が、どんどん、市場から消えていく時世では、並みの書店経営をしていては生き残って行けないと言うことで、いかなる努力をしてでも、客に魅力のある書店空間を提供すべく知恵を絞らなければならないと言うことであろう。
さて、私の感想だが、ニューヨーク紀行で書いたように、今世紀のはじめに、5番街のバーンズ&ノーブルには、スターバックスが併設されていて、店内に、読書空間もあり、結構、工夫がこらされていたが、これはこれとして、ボストンのバーンズ&ノーブルは、殆ど旧態依然で、魅力がなく、結局、アマゾンの追撃にあって惨憺たる経営状態になった。
前述のリアル書店の新しいビジネスモデルも、斬新さが売り物で、当座は、人気が出ても、本質的に読書ファンへの魅力創出に寄与するとは思えないので、一過性に終わるような気がする。
アメリカに居た時には、私は、ブッククラブに入っていて、毎月、新刊の推薦本から選ぶと同時に、膨大な本の品揃えの中から、本を選んで買っていたが、定価よりかなり安かった。
それに、留学先のペンシルバニア大学には、立派なブックショップがあって、買ったのは専門書が多かったので、本の選定には、何の苦労もなかった。
それに、学生割引もあったし、アメリカでは、ベストセラーでも、新刊は割引価格だったので、助かった。
アマゾンがなかった時代なので、リアル書店が総てであったが、古書店を訪れたのは、ロンドンに移ってからで、随分後のことである。
これまでにも書いたが、書店が力を入れている推薦本や特設コーナーなど、全く信用していないし、権威が推薦する本であっても興味はないので、あくまで、我が道を行く自己流の読書行脚を続けており、ベストセラーにも興味はない。
本当に本が好きなら、自分自身で本の中を、必死に泳がなければならないのだと思っている。
今日、インターネットを叩いていたら、産経新聞の面白い書店関係の記事が、2件見つかった。
まず、”コンビニが「読者」を呼び込む 書店が減少する中、読書ニーズを掘り起こせるか”
出版不況やネット販売の台頭に伴い、本を実際に手に取って買える書店が減少する中、コンビニがお客と本を結びつける場として注目を集め始めている。限定本の発行、書棚の設置、書店との協業…。コンビニは新たな読書ニーズを掘り起こせるか。(加藤聖子)と言うのである。
セブン-イレブンでは、10月にセブン&アイグループ限定で販売するオリジナル新書(セブン&アイ出版)を創刊した。
ローソンでは、書籍専用の棚がある店を続々と増やしている。
ファミリーマートでは、書店との一体型店舗を24時間営業で展開し、コンビニ部分と書店部分に仕切りはなく、イートインスペースなども備える。等々
また、産経デジタルでは、”えっ、盗まれないの? 無人の古本屋は、なぜ営業を続けられるのか”
三鷹駅から徒歩15分ほどのところにある、無人古本屋「BOOK ROAD」
ちょっとユニークな古本屋で、商店街に面した店舗の広さは、たったの2坪。4つの棚が並んでいて、そこに500冊ほどの本が並んでいる。普通の書店にはスタッフがいて、レジが置いてある。しかし、この店には誰もいなくて、レジも置いていない。24時間営業で、扉にはカギもない。
300円と500円のカプセルトイ本体が設置されていて、本の後ろに価格が記されているので、値段分のカプセルを購入すれば、会計は終わり。と言うわけである。
質の悪い有象無象の来るところではなく、本を愛する上客だけが来る場所を選んだので、24時間開けっ放しでも、店に殆ど訪れなくても、盗難などなくて、黒字経営だと言うのである。
神田神保町の古書店で、店頭のワゴンから、本を数冊抜いて、そのまま、通り過ぎた若者がいたが、こんな所で出店してはダメなのであろう。
また、先日、”入場料を取る書店が大はやり“と言う記事も目に付いた。
閉店した青山ブックセンターの跡地に「文喫」という新しい書店がオープンし、店の入口で1500円+消費税を払うと、バッジが渡され、入店できる。
空間的にゆったりとした余裕があるカフェ、といった感じで、営業時間は朝9時から夜11時まで。本は読み放題。コーヒーは無料で、食事もでき、何時間でも滞在できる。
店内には3万冊の蔵書がある。新刊だけではない。
休日には10人以上が入店待ちという人気店で、多い日には200名ほどが来店。滞在時間は平均3~4時間。来店客の4割が書籍を購入し、これは通常店舗の4倍であり、さらに客単価は通常店舗の3倍である。入場料、飲食料、本の売り上げを全部合わせると、収支が取れているという。
文喫は出版取次で最大手の日本出版販売(日販)のグループ会社が運営している。と言うから、文句なしの新しいビジネスモデルである。
書店の価値の本質は、「それまで知らなかった知識との偶然の出合い」である。知らなかった知識との偶然の出合いは、過去の購買履歴を基にしたネット販売のリコメンド機能では決して得られない。だから、私たちは書店に行くと知的好奇心がくすぐられ、どこかワクワクする。そして、本に囲まれた環境に居心地のよさを感じ、長居したくなる。
入場料を取る書店・文喫が目指したことは、まさにリアル書店への原点回帰なのだ。
と、この記事の作者永井 孝尚さんは、言う。
閉店したジュンク堂新宿店の店長が、
「リアル書店が果たさなければならない役割がある。『こんな本があります』という提案型の売り場作りや、実際に本を見て選んでもらえるのは、リアル書店だからこそです」と言う。
また、北海道の某書店が、予算に見合った客の希望を見つくろって本を選んで、客に提供する手法で成功していると言う記事もあった。
要するに、活字離れ本離れで、本の出版が半減して、リアル書店が、どんどん、市場から消えていく時世では、並みの書店経営をしていては生き残って行けないと言うことで、いかなる努力をしてでも、客に魅力のある書店空間を提供すべく知恵を絞らなければならないと言うことであろう。
さて、私の感想だが、ニューヨーク紀行で書いたように、今世紀のはじめに、5番街のバーンズ&ノーブルには、スターバックスが併設されていて、店内に、読書空間もあり、結構、工夫がこらされていたが、これはこれとして、ボストンのバーンズ&ノーブルは、殆ど旧態依然で、魅力がなく、結局、アマゾンの追撃にあって惨憺たる経営状態になった。
前述のリアル書店の新しいビジネスモデルも、斬新さが売り物で、当座は、人気が出ても、本質的に読書ファンへの魅力創出に寄与するとは思えないので、一過性に終わるような気がする。
アメリカに居た時には、私は、ブッククラブに入っていて、毎月、新刊の推薦本から選ぶと同時に、膨大な本の品揃えの中から、本を選んで買っていたが、定価よりかなり安かった。
それに、留学先のペンシルバニア大学には、立派なブックショップがあって、買ったのは専門書が多かったので、本の選定には、何の苦労もなかった。
それに、学生割引もあったし、アメリカでは、ベストセラーでも、新刊は割引価格だったので、助かった。
アマゾンがなかった時代なので、リアル書店が総てであったが、古書店を訪れたのは、ロンドンに移ってからで、随分後のことである。
これまでにも書いたが、書店が力を入れている推薦本や特設コーナーなど、全く信用していないし、権威が推薦する本であっても興味はないので、あくまで、我が道を行く自己流の読書行脚を続けており、ベストセラーにも興味はない。
本当に本が好きなら、自分自身で本の中を、必死に泳がなければならないのだと思っている。