東京の国立劇場の小劇場で、1月の国立文楽劇場での公演に引き継いで、竹本錣太夫襲名披露狂言『傾城反魂香』土佐将監閑居の段が上演された。
先月、大阪に行って観劇済みで、このブログに書いているので、重複は避けるが、今回、後期高齢者のミーハーぶりを気にせずに、ロビーにおられた竹本錣太夫にプログラムにサインをもらって、写真を撮らせてもらった。
芸術家に、サインをもらって写真を撮らせてもらった経験が、何度かあるが、それは、もう随分前に、フィラデルフィアのアカデミー・オブ・ミュージックで、コンサートの後、楽屋に入って、ユージン・オーマンディに、そして、ロンドンのロイヤル・オペラで、ルネ・フレミングに、日本では、安野光雅画伯であった。
サインをもらったのは、クラシック関係ばかりで、ほかに、ユーディ・メニューイン、アンネ・ゾフィー・ムターなどはレコードとCDに、
METで、ビヴァリー・シルズのサイン本を見つけて買ったときには嬉しかったのを覚えている。
別にサインが欲しいという訳ではなく、本やCDが、よりみぢかになると言う感じで、その場のムードで、サインをもらおうと言うことになるので、まあ、ミーハーである。
さて、吃又だが、手水鉢に又平の自画像が浮かび上がるシーンが最も劇的なのだが、昔の舞台というか、歌舞伎だかどうだか忘れたが、少しずつ像があらわれてきて、まるで奇跡でも起こったかのように見せるていたが、これは、手水鉢の中に入った黒衣が又平の像を裏側から描いていたと言うことで、非常にリアルで臨場感があった。
しかし、今回の舞台は、手水鉢が小さいので仕方がないとしても、ぱっと裏側に明かりがついて、像が、浮き上がるという演出で、どうも作為的で趣向に欠ける。
ところで、又平とおとくが登場してから、喋るのはおとくで、又平は脇に座って卑屈な姿で相槌を打つだけで、太夫は、通訳という言葉で語るほど存在感のないだめ絵師だったが、弟弟子に先を越されて名字を許されたのを知って断腸の悲痛、ところが、舞台が急展開して、
元信の弟子雅楽之介が飛び込んできて姫を奪われたと告げたので、その救出に行って手柄を立てようと、今度は、おとくを蹴散らして将監の前に進み出て、言葉にならない吃音で必死に願い出るも許されず、救出命令を受けた修理之介の前にはだかって、代わってくれと懇願する哀れさだが、ここで主客転倒、一気に舞台のテンションが高揚する。
この後、将監に、絵の道の功によってこそ名字に値すると最後通告を突きつけれれて万事休す、
おとくに、手水鉢を石塔と定め、自分の絵像を書いて自害して贈り名を待てと言われて、又平は、決死の覚悟で絵筆を握る。
この間の激しい劇的な舞台展開を、緩急自在、錣太夫の義太夫と宗助・寛太郎の三味線が、情緒連綿とした感動的な浄瑠璃を語り、勘十郎の又平と清十郎のおとくが、夫婦愛の局地とも言うべき芝居を披露して観客の感動を呼ぶ。
2012年に、この傾城反魂香を観ており、そのときは、又平が玉女、おとくが文雀、住大夫の語りと錦糸の三味線と言う素晴らしい舞台であったが、
今回は、錣太夫襲名披露狂言であり、非常に思い出深い公演となった。
先月、大阪に行って観劇済みで、このブログに書いているので、重複は避けるが、今回、後期高齢者のミーハーぶりを気にせずに、ロビーにおられた竹本錣太夫にプログラムにサインをもらって、写真を撮らせてもらった。
芸術家に、サインをもらって写真を撮らせてもらった経験が、何度かあるが、それは、もう随分前に、フィラデルフィアのアカデミー・オブ・ミュージックで、コンサートの後、楽屋に入って、ユージン・オーマンディに、そして、ロンドンのロイヤル・オペラで、ルネ・フレミングに、日本では、安野光雅画伯であった。
サインをもらったのは、クラシック関係ばかりで、ほかに、ユーディ・メニューイン、アンネ・ゾフィー・ムターなどはレコードとCDに、
METで、ビヴァリー・シルズのサイン本を見つけて買ったときには嬉しかったのを覚えている。
別にサインが欲しいという訳ではなく、本やCDが、よりみぢかになると言う感じで、その場のムードで、サインをもらおうと言うことになるので、まあ、ミーハーである。
さて、吃又だが、手水鉢に又平の自画像が浮かび上がるシーンが最も劇的なのだが、昔の舞台というか、歌舞伎だかどうだか忘れたが、少しずつ像があらわれてきて、まるで奇跡でも起こったかのように見せるていたが、これは、手水鉢の中に入った黒衣が又平の像を裏側から描いていたと言うことで、非常にリアルで臨場感があった。
しかし、今回の舞台は、手水鉢が小さいので仕方がないとしても、ぱっと裏側に明かりがついて、像が、浮き上がるという演出で、どうも作為的で趣向に欠ける。
ところで、又平とおとくが登場してから、喋るのはおとくで、又平は脇に座って卑屈な姿で相槌を打つだけで、太夫は、通訳という言葉で語るほど存在感のないだめ絵師だったが、弟弟子に先を越されて名字を許されたのを知って断腸の悲痛、ところが、舞台が急展開して、
元信の弟子雅楽之介が飛び込んできて姫を奪われたと告げたので、その救出に行って手柄を立てようと、今度は、おとくを蹴散らして将監の前に進み出て、言葉にならない吃音で必死に願い出るも許されず、救出命令を受けた修理之介の前にはだかって、代わってくれと懇願する哀れさだが、ここで主客転倒、一気に舞台のテンションが高揚する。
この後、将監に、絵の道の功によってこそ名字に値すると最後通告を突きつけれれて万事休す、
おとくに、手水鉢を石塔と定め、自分の絵像を書いて自害して贈り名を待てと言われて、又平は、決死の覚悟で絵筆を握る。
この間の激しい劇的な舞台展開を、緩急自在、錣太夫の義太夫と宗助・寛太郎の三味線が、情緒連綿とした感動的な浄瑠璃を語り、勘十郎の又平と清十郎のおとくが、夫婦愛の局地とも言うべき芝居を披露して観客の感動を呼ぶ。
2012年に、この傾城反魂香を観ており、そのときは、又平が玉女、おとくが文雀、住大夫の語りと錦糸の三味線と言う素晴らしい舞台であったが、
今回は、錣太夫襲名披露狂言であり、非常に思い出深い公演となった。