
鎌倉に住んでいて、鎌倉が舞台で、お馴染みの風景が出てくるので、内容など全く関係なく、映画館に行った。
現実と幻想が入り混じった奇想天外な映画であったが、結構面白かった。
江ノ電風景や極楽寺駅、浄智寺など北鎌倉の雰囲気、鳩サブレや井上蒲鉾、とにかく、あっちこっちに、鎌倉が出てきて、地元の雰囲気が楽しい。
大体、ストーリーは、次のような感じ。
鎌倉在住のミステリー作家・一色正和(堺雅人)と結婚した年若い新妻・亜紀子(高畑充希)は、河童が道を横切り、街のあっちこっちに、魔物や幽霊、妖怪や死神までも現れる新生活に驚くのだが、鎌倉が、人間とこの世の者でないものたちが同居する街であることを知る。
一色は、本業の小説家業以外に、鎌倉署の心霊捜査課の捜査協力者でもあり、鉄道模型収集や熱帯魚飼育の趣味があって、実年齢130歳の家政婦・キン(中村玉緒)を雇っている。原稿を取りに来る編集担当・本田(堤真一)が死んでガマになり、貧乏神(田中泯)が家に住み付き、亜紀子が不慮の事故で亡くなり黄泉の国に行ってしまう。
一色は、亜紀子の命を取り戻すため、毒キノコを食べて仮死状態になった抜け殻で、一人黄泉の国へ向かい、亜紀子を黄泉に連れさった魔物たちと戦って黄泉の国逃亡に成功して、亜紀子を地上に連れ戻す。
一色には、父(三浦友和)と母(鶴田真由)との生活に疑問があり悩んでいたのだが、父は、親の反対で止むを得ず学者として生活を送りながら作家甲滝五四朗と言うペンネームで小説を書く別々の二重生活を送っており、絶筆となった彼の小説が黄泉の国から死者を呼び戻すところで切れており、その後を聞くために、一色は、まず、黄泉の国で彼に会って、初めて父母の秘密を知って喜び、亜紀子の救い方を教わる。
と言う別の男のところへ通う母の浮気が誤解であったと言うサブストーリーがあって面白い。
それに、一色と亜紀子は、古い古い前世から、面々と夫婦であって、一目惚れして結婚したのも当然で、この関係を、亜紀子に横恋慕した天頭鬼(声:古田新太)が、断ち切ってものにしようと黄泉の国に連れ去ったと言うのが、亜紀子の死去の原因で、CGを駆使して、ディズニー映画の向こうを張って、逃げる一色と亜紀子を追って、怪獣として暴れ回る活劇シーンは、凄い迫力で見ものである。
それに、一色が、空中に浮かぶ線路を走る黄泉行き江ノ電に乗って到着すると、眼前に展開される幻想的な空中都市。
黄泉の国は、各人各様の心象風景だと言うのだが、中国風の深山幽谷の岸壁にびっしりと香港並の住居が犇めき合って天を衝く凄い風景で、その中の小さな一軒家が一色の父母の家。
お化けや妖怪が店を出すお祭りの夜店のシーンは実写が主体であろうが、この黄泉の国と天頭鬼たち妖怪との戦いは、正に、CGの世界で、時空を超えた舞台が展開されて面白い。
いずれにしろ、これらすべてが「DESTINY」と言うことであろうが、虚実皮膜どころか、どこが現実でどこが仮想の世界か、いくら、デジタル革命でバーチャル・リアリティー入り混じった時代であっても、とにかく、魑魅魍魎の仮想世界を、鎌倉を舞台に描いたところが面白い。
川端康成など、鎌倉を愛した文豪たちは、どんな顔をして、この「DESTINY」世界に躍り出てくるのであろうか。
さて、主役の堺雅人と高畑充希は、生まれながらの役者、とにかく、文句なしに上手い。
堤真一は、舞台でも映画でも、どんな役でもこなす凄い役者で、「ALWAYS 三丁目の夕日」で証明済み、私には、NHKの「マッサン」で、鳥井信治郎役を演じたのが圧巻。甲子園球場近くで生まれたと言うから、私の後輩である。
中村玉緒と田中泯は、実に上手く、謂わば、骨董の値打。
三浦友和と鶴田真由は、理想の俳優、今回特に風格がある。
現実の世界と黄泉の国の仲介役として、死者の現世との仮生活をアレンジする若き死神を演じる安藤サクラが、コミカルタッチで器用に難しい役を熟しているのが面白い。
行きつけの呑み屋の女将に薬師丸ひろ子、黄泉の国に行った夫婦に橋爪功と吉行和子、警察署長に国村隼などベテランたちが、ちょい役で登場しており、華を添えている。
刑事役の要潤、大倉幸二、神戸浩も、独特な雰囲気で味を示して面白いし、本田の妻の市川実日子、その恋人ムロツヨシも、しっとりとした佇まいが良い。
主題歌は、作詞作曲宇多田ヒカルの「あなた」。
とにかく、何が何だか、何が鎌倉なのか、よく分からないままに、映画は終わったのだが、爽やかであった。
現実と幻想が入り混じった奇想天外な映画であったが、結構面白かった。
江ノ電風景や極楽寺駅、浄智寺など北鎌倉の雰囲気、鳩サブレや井上蒲鉾、とにかく、あっちこっちに、鎌倉が出てきて、地元の雰囲気が楽しい。
大体、ストーリーは、次のような感じ。
鎌倉在住のミステリー作家・一色正和(堺雅人)と結婚した年若い新妻・亜紀子(高畑充希)は、河童が道を横切り、街のあっちこっちに、魔物や幽霊、妖怪や死神までも現れる新生活に驚くのだが、鎌倉が、人間とこの世の者でないものたちが同居する街であることを知る。
一色は、本業の小説家業以外に、鎌倉署の心霊捜査課の捜査協力者でもあり、鉄道模型収集や熱帯魚飼育の趣味があって、実年齢130歳の家政婦・キン(中村玉緒)を雇っている。原稿を取りに来る編集担当・本田(堤真一)が死んでガマになり、貧乏神(田中泯)が家に住み付き、亜紀子が不慮の事故で亡くなり黄泉の国に行ってしまう。
一色は、亜紀子の命を取り戻すため、毒キノコを食べて仮死状態になった抜け殻で、一人黄泉の国へ向かい、亜紀子を黄泉に連れさった魔物たちと戦って黄泉の国逃亡に成功して、亜紀子を地上に連れ戻す。
一色には、父(三浦友和)と母(鶴田真由)との生活に疑問があり悩んでいたのだが、父は、親の反対で止むを得ず学者として生活を送りながら作家甲滝五四朗と言うペンネームで小説を書く別々の二重生活を送っており、絶筆となった彼の小説が黄泉の国から死者を呼び戻すところで切れており、その後を聞くために、一色は、まず、黄泉の国で彼に会って、初めて父母の秘密を知って喜び、亜紀子の救い方を教わる。
と言う別の男のところへ通う母の浮気が誤解であったと言うサブストーリーがあって面白い。
それに、一色と亜紀子は、古い古い前世から、面々と夫婦であって、一目惚れして結婚したのも当然で、この関係を、亜紀子に横恋慕した天頭鬼(声:古田新太)が、断ち切ってものにしようと黄泉の国に連れ去ったと言うのが、亜紀子の死去の原因で、CGを駆使して、ディズニー映画の向こうを張って、逃げる一色と亜紀子を追って、怪獣として暴れ回る活劇シーンは、凄い迫力で見ものである。
それに、一色が、空中に浮かぶ線路を走る黄泉行き江ノ電に乗って到着すると、眼前に展開される幻想的な空中都市。
黄泉の国は、各人各様の心象風景だと言うのだが、中国風の深山幽谷の岸壁にびっしりと香港並の住居が犇めき合って天を衝く凄い風景で、その中の小さな一軒家が一色の父母の家。
お化けや妖怪が店を出すお祭りの夜店のシーンは実写が主体であろうが、この黄泉の国と天頭鬼たち妖怪との戦いは、正に、CGの世界で、時空を超えた舞台が展開されて面白い。
いずれにしろ、これらすべてが「DESTINY」と言うことであろうが、虚実皮膜どころか、どこが現実でどこが仮想の世界か、いくら、デジタル革命でバーチャル・リアリティー入り混じった時代であっても、とにかく、魑魅魍魎の仮想世界を、鎌倉を舞台に描いたところが面白い。
川端康成など、鎌倉を愛した文豪たちは、どんな顔をして、この「DESTINY」世界に躍り出てくるのであろうか。
さて、主役の堺雅人と高畑充希は、生まれながらの役者、とにかく、文句なしに上手い。
堤真一は、舞台でも映画でも、どんな役でもこなす凄い役者で、「ALWAYS 三丁目の夕日」で証明済み、私には、NHKの「マッサン」で、鳥井信治郎役を演じたのが圧巻。甲子園球場近くで生まれたと言うから、私の後輩である。
中村玉緒と田中泯は、実に上手く、謂わば、骨董の値打。
三浦友和と鶴田真由は、理想の俳優、今回特に風格がある。
現実の世界と黄泉の国の仲介役として、死者の現世との仮生活をアレンジする若き死神を演じる安藤サクラが、コミカルタッチで器用に難しい役を熟しているのが面白い。
行きつけの呑み屋の女将に薬師丸ひろ子、黄泉の国に行った夫婦に橋爪功と吉行和子、警察署長に国村隼などベテランたちが、ちょい役で登場しており、華を添えている。
刑事役の要潤、大倉幸二、神戸浩も、独特な雰囲気で味を示して面白いし、本田の妻の市川実日子、その恋人ムロツヨシも、しっとりとした佇まいが良い。
主題歌は、作詞作曲宇多田ヒカルの「あなた」。
とにかく、何が何だか、何が鎌倉なのか、よく分からないままに、映画は終わったのだが、爽やかであった。
