熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

優先席にバスの様なボタンを設置すればどうか

2018年01月12日 | 政治・経済・社会
   いつも思うのだが、電車などに乗ると、「優先席があります。必要とされているお客さんにお譲りください」とか何とか、かなり頻繁に、車内放送されている。
   しかし、大抵、老人や妊婦や、優先席を必要とする客より、若者や壮年期の客で埋まっていることの方が多い。

   私など、既に喜寿を迎えた後期高齢者であると言う意識もあって、席が空いて居れば、普通席を譲って、優先席に座ることにしている。

   先日、大船から東京行きの東海道線に乗った時、優先席が空いていたので、座った。
   戸塚駅で、少し足の不自由な老婦人が乗ってきたので、3人席で空いている真ん中の席を、と思って横を見たら、目を瞑っていた若い女性客が足を斜めにして座っているので、一寸窮屈であり、「もう少し詰めてください」と言った。
   聞こえなかったのか、畳み掛けて、「ここは、優先席でしょ」と言ったら、目を見開いて私を睨みつけて、
   「法律に書いてあるのか! この年金野郎が!!」と宣った。

   老婦人は、怖気づいて後退りし、「もう、結構です」と言って傍を離れた。
   私も、次にどんな言葉を発するのか、関りになるのを避けて、席を離れた。
   こんな場合には、近くの客は、すべて、触らぬ神に祟りなしの風情。

   優先席のモラル軽視、エチケット違反は、いくらでも経験しているが、どんどん、民度が落ちてきたのか、礼節への意識が廃れて来たのか分からないが、杖をついて吊革にしがみついて居る老人が前に立っていても、3人座っている、背広のサラリーマンはスマホを叩き、若い男は大股披いて電話帳のような漫画を読んでおり、中年女性は眠ったふりをしている。
   朝晩のラッシュ時は、疲れたサラリーマンが優先席を取り合いしているのは、ともかくとしても、それ以外の時間帯では、やはり、優先席はオープンにして置くことにした方が良いと思う。

   提案だが、現在のような状態で、優先席があって、車内放送を何度繰り返しても、座る必要がない筈の人で、優先席へ座っても、何の心の痛みも感じないし、その存在さえ認識していない人が多くて、優先席が機能していない以上、殆ど無意味なような気がしている。
   以前に、女性優先車両の様に、優先席優先車両を設けたらどうか書いたことがあるが、JRの15両編成の優先席をトータルすれば、ユウに車両一両分になる筈である。

   もう一つの提案は、優先席付近の柱や壁に、バスにある乗り降りを伝えるべく押すボタンなりブザーのようなモノを取り付ければどうかと思う。
   

   このボタンを押せば、短くても良いので、その優先席あたりだけ聞こえる、
   「ここは、優先席です」だけでも良いし、
   「優先席です。必要な方に席をお譲りください」などと声の出るポータブルスピーカーを取り付けたらどうであろうか。
   ボタンを押すのは、必要とする人や、必要とする人が傍にいると認識した常識人など、優先席機能を活性化すべきだと感じた人で良い。
   煩わしさを避けるために、ほんの小さな局地的機能のスピーカーシステムだけで良く、ダミーカメラと同じで、こんな装置があると言うだけでも機能すると思う。

   尤も、良かれと思ってやったことには、必ず、裏をかかれたり、反作用があって、こんな提案をするのが良いのか悪いのか分からないのだが、優先席が、本当に必要だと思うのなら、試行錯誤すればよいと思う。

   眠っている膨大な預金の大半は、老人が持っているという日本。
   あのガルブレイスが、逝く間際に、日本のこの余剰資金の一部でも動き出せば、日本の失われた10年不況も吹っ飛ぶと予言していた。

   2040年には、高齢者が、日本人人口の半数以上を占めるなどと言う推測もあり、とにかく、老人を電車に乗せて移動されることが、どれだけ、国家経済に役立つか。
   まず、健康になって、医療費の負担が減るであろうし、金を使って有効需要を喚起する。
   その分、事故も増えるであろうが、いずれにしろ、老人が動き始めれば、今まで以上に、経済社会が活性化することは事実であろう。
   老人のことばかり書いたが、
   からだの不自由な方、
   内部障がいのある方、
   乳幼児をお連れの方、
   妊娠している方
   など、他にも、優先席を必要とされる方は多いと思うので、優先席の活性化は、課題大国として、世界の最先端を行く日本としては、最も重要な緊急事でもあると思う。

   私は、欧米での経験もかなりあるので、特に感じているのだが、欧米先進国では、随分多くの日常生活で不自由を感じている方々でも、経済社会に溶け込んで頑張っておられる姿を見ていて感動し続けて来た。
   日本の劣化は、経済や政治のみならず、世界に冠たる礼節なり礼儀までも、だと思いたくないと思っている。
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