熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

古城の土塁斜面に咲く彼岸花・・・佐倉城址公園

2007年09月27日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   先日、久しぶりに、佐倉城址を歩いたら、本丸跡の土塁の斜面のここかしこにヒガンバナが咲き乱れていた。
   このヒガンバナは、毒性が強いので、ネズミやモグラ、虫などを避けるために、普通は、田畑の畦道や墓地などに植えられていて、そんな所で見慣れているので、何となく違和感を感じたのだが、
   ピンと威勢良く伸びた茎のてっぺんに放射状の花飾りのような赤い花をつけた派手な雰囲気が、案外、廃墟となった古城跡には良く似合うのである。

   子供の頃、畦道に沢山咲いていたが、彼岸、すなわち、死を連想させる花と言うイメージなので、好きな花ではなかったが、何故か、彼岸花と言うよりは別名の曼珠紗華と言う名前で覚えている。
   地球温暖化の影響を受けて、普通の花の咲く時期はどんどん後退して遅れて来ているのに、やはり、あの世の花なのか、この花だけは、毎年、間違いなしに彼岸の頃に咲くのが不思議である。
   外国では、球根花として普通の扱いなのだが、日本では不吉な花のイメージなので、園芸の本にもその記述さえ殆どなく、可愛そうな気がする。
   しかし、この花が渡って来たと言う故国の中国では、「相思華」と言うらしい。この花は、花が咲いている時には葉がなく、葉がある時には花がないので、お互いに、花が葉を思い、葉が花を思うからだと言うのだが、中々粋な発想である。

   大きなカメラを三脚につけて用具一式を持った初老の夫婦が二組、古城公園を歩いていたが、花や小鳥が目立つ時でもないし、それに変化の乏しい季節なのに、何を写すのか気になったが、趣味と実益を兼ねた散策であろうか。
   まだ、暑さが残っている所為か、ツクツクホウシがしきりに鳴いていた。
   池面には、蓮の葉が一面に広がって、所々に小さな白い蓮の花が咲いている。葉が動いたかと思うと、小さな亀が首を出した。
   池畔には、子供が投げたパンの切れ端をめがけて、小さな小魚が群れている。
   時々、成田空港を離れた飛行機の爆音が上空をかすめて行く。

   城址公園の外れにある「くらしの植物苑」に行くと、季節の植物の変化が良く分かって面白い。
   季節最後の朝顔のプランター植えがまだ残っていて、青い清楚な花をつけて可なり遅い時間まで咲いている。
   収穫時期なのか、色々な種類の瓢箪やヘチマ、瓜などの実が棚から沢山ぶら下がっていて、中々、壮観である。休息所のテーブルには、色々な瓜類の実が展示されていて、その種類の豊かさに驚く。
   シルクロードを経て、地中海やペルシャ辺りから渡って来たのであろうか。

   花は、芙蓉のピンクが鮮やかで、それに、シュウメイギクと萩も盛りで咲き誇っている。
   面白かったのは、綿の花が一輪、それに、白いヒガンバナが数株、綺麗な花をつけていたことであった。
   綿の花は初めて見たが、芙蓉を小型にしたような薄い黄色の綺麗な花で、綿の実が大分出来ていた。
   木の小さな実が、赤や黄色に色づき始めて、陽の光を受けて光り輝いている。
   まだ、暑くてたまらないが、確実に秋が来ている。
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