大前研一氏が、ビッグサイトで開かれているIT PRO EXPO 2008で、「ICT新時代の潮流~プロが取り組むべきこと」と言う演題で、基調講演を行った。
オバマが、80万のインターネットサポーターを糾合して、30万のヒラリーに勝利し、マケインを追い上げて次期大統領のイスをほぼ確保しつつあるのは、正に、クラウド・コンピューティング戦略のなせる技と、いう話から、
世界中を震撼させている金融危機について、21世紀のサイバー・パニックの様相を呈するICT新時代の潮流を語り始めた。
金融危機になると、昔なら、銀行窓口に預金者が殺到する取り付け騒ぎが定番だが、イギリスのワシントン・ミューチュアルの場合には、インターネットのシステムをとめなかったので、サイバー取り付けと言うべきか、一気に、8兆円と言う大金が流出し、破局に追い込んでしまった。
日本は、幸いにも、50万円までと言う制限がかかっているので、こんなことは起こらない幸せな国だとのコメントに会場が沸く。
興味深かったのは、IT大国インド経済の凋落振りで、アメリカの金融機関のパニックと半崩壊で、バックをサポートしていたインドのIT関連業界が壊滅的な打撃を受けていると言う。
インドのITエンジニアは、アメリカンビジネスに慣らされて、スペックなり何らかの指示がないと仕事が出来ない性癖があるが、暇になると必ず何かを考えるので、本来レガシーに弱いが、日本や中国に分のある組み込みソフトに雪崩れ込むであろうと大前氏は説く。
インド同様、ITエンジニア大国はロシア。
ソ連崩壊時に、インテルやボーイングなどのアメリカ企業は、ロシア人技術者を大量に採用したが、今や、年間22万人のエンジニアを輩出する技術大国で、優にインドに対抗している。
インド人は、詳細に指示しないと仕事が出来ないが、ロシア人エンジニアには、何をしたいか何を望むかベイシックな指示さえすれば、意図したICTシステムやソフトを作り上げると言うのである。
IT技術者の宝庫は、インド、ロシア、中国、そして、ものによってはフィリピン、
周辺技術では、チェコ、モーリシャス。
日本のICT技術を向上させるためには、これら世界のエンジニアを如何に使いこなせるかと言うことだが、如何せん、日本人は、言われたことしか出来ない、人の言うことを聞かない技術者しかいないので、これが問題だと言う。
これを克服するためには、日本人エンジニアは次の3点に磨きをかけなければならない。
①コンセプトが出来ること。
②センスを磨くこと。
③スピードを上げること。
特に、自身の翻訳本ダニエル・ピンクのハイセンス革命を引き、如何に、センスが大切かを、iPodのデザインや伊右衛門(容器のくびれが女性を連想させてついつかんでしまうと言うのだが良く分からない)を例に上げて説いていた。センスある価格が取れる製品を開発することに止めを刺すと言うのである。
PS3のハイスペックに対して、Wiiの、まず母親をファンにしてゲームに対する毒気を抜く戦略など見上げたものなのである。
世界中には、もっともっといくらでも安く仕事をする素晴らしいエンジニアが充満しているのだから、これらのエンジニアをフル活動して、価値のあるものを生み出す、そんな人間になって欲しいと言う。
その為には、コンセプトができ、センスのある、かつ、ハイスピードで決断してアクションが取れる人間でなければならない。
日本人総エンジニア、まず、総ての日本人が、まず、エンジニアであるべきで、それから、法律や経営を勉強すれば良い、と言う。
この最後のコメントである総エンジニア論は別として、理系と文系のダブルメイジャー、π型人間の育成は是非とも必要な教育指針である。
大前氏が元原子力技術者であるから、エンジニア優先論を説いているが、以前、日本企業の経営が迷走してコーポレート・ガバナンスが無茶苦茶であった時、神田秀樹教授が、理系出身のトップに問題があると指摘していたのを聞いたことがある。
今回の金融危機も、トップがどうだったか知らないが、ファイナンシャル・エンジニアーである理系出身者が暴走に加担したことは自明で、どっちもどっち、やはり、両面のバランス感覚が重要だと言うこと、正に、経営のセンスが試されているのであろう。
オバマが、80万のインターネットサポーターを糾合して、30万のヒラリーに勝利し、マケインを追い上げて次期大統領のイスをほぼ確保しつつあるのは、正に、クラウド・コンピューティング戦略のなせる技と、いう話から、
世界中を震撼させている金融危機について、21世紀のサイバー・パニックの様相を呈するICT新時代の潮流を語り始めた。
金融危機になると、昔なら、銀行窓口に預金者が殺到する取り付け騒ぎが定番だが、イギリスのワシントン・ミューチュアルの場合には、インターネットのシステムをとめなかったので、サイバー取り付けと言うべきか、一気に、8兆円と言う大金が流出し、破局に追い込んでしまった。
日本は、幸いにも、50万円までと言う制限がかかっているので、こんなことは起こらない幸せな国だとのコメントに会場が沸く。
興味深かったのは、IT大国インド経済の凋落振りで、アメリカの金融機関のパニックと半崩壊で、バックをサポートしていたインドのIT関連業界が壊滅的な打撃を受けていると言う。
インドのITエンジニアは、アメリカンビジネスに慣らされて、スペックなり何らかの指示がないと仕事が出来ない性癖があるが、暇になると必ず何かを考えるので、本来レガシーに弱いが、日本や中国に分のある組み込みソフトに雪崩れ込むであろうと大前氏は説く。
インド同様、ITエンジニア大国はロシア。
ソ連崩壊時に、インテルやボーイングなどのアメリカ企業は、ロシア人技術者を大量に採用したが、今や、年間22万人のエンジニアを輩出する技術大国で、優にインドに対抗している。
インド人は、詳細に指示しないと仕事が出来ないが、ロシア人エンジニアには、何をしたいか何を望むかベイシックな指示さえすれば、意図したICTシステムやソフトを作り上げると言うのである。
IT技術者の宝庫は、インド、ロシア、中国、そして、ものによってはフィリピン、
周辺技術では、チェコ、モーリシャス。
日本のICT技術を向上させるためには、これら世界のエンジニアを如何に使いこなせるかと言うことだが、如何せん、日本人は、言われたことしか出来ない、人の言うことを聞かない技術者しかいないので、これが問題だと言う。
これを克服するためには、日本人エンジニアは次の3点に磨きをかけなければならない。
①コンセプトが出来ること。
②センスを磨くこと。
③スピードを上げること。
特に、自身の翻訳本ダニエル・ピンクのハイセンス革命を引き、如何に、センスが大切かを、iPodのデザインや伊右衛門(容器のくびれが女性を連想させてついつかんでしまうと言うのだが良く分からない)を例に上げて説いていた。センスある価格が取れる製品を開発することに止めを刺すと言うのである。
PS3のハイスペックに対して、Wiiの、まず母親をファンにしてゲームに対する毒気を抜く戦略など見上げたものなのである。
世界中には、もっともっといくらでも安く仕事をする素晴らしいエンジニアが充満しているのだから、これらのエンジニアをフル活動して、価値のあるものを生み出す、そんな人間になって欲しいと言う。
その為には、コンセプトができ、センスのある、かつ、ハイスピードで決断してアクションが取れる人間でなければならない。
日本人総エンジニア、まず、総ての日本人が、まず、エンジニアであるべきで、それから、法律や経営を勉強すれば良い、と言う。
この最後のコメントである総エンジニア論は別として、理系と文系のダブルメイジャー、π型人間の育成は是非とも必要な教育指針である。
大前氏が元原子力技術者であるから、エンジニア優先論を説いているが、以前、日本企業の経営が迷走してコーポレート・ガバナンスが無茶苦茶であった時、神田秀樹教授が、理系出身のトップに問題があると指摘していたのを聞いたことがある。
今回の金融危機も、トップがどうだったか知らないが、ファイナンシャル・エンジニアーである理系出身者が暴走に加担したことは自明で、どっちもどっち、やはり、両面のバランス感覚が重要だと言うこと、正に、経営のセンスが試されているのであろう。