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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

時事雑感・・・政治の劣化、そして、民主党

2008年01月15日 | 政治・経済・社会
   先日の上智大学での「世界遺産と生きる」でパネリストの一人である鈴木恒夫衆議院議員の第一声は「政治の劣化」と言う言葉で、現在の日本の政治家の質が如何にお粗末かと言うことを語った。業績については良く知らないが、文化遺産の保存や環境行政などでの議員達の識見の無さや意識の低さをも言っているのであろうが、確かに、ロクスッポ勉強をしていないのであるから、分かる筈がないと言うのが実情であろう。
   榊原英資氏が日本の没落を言うのも、日本人の幼稚化と教育の目も当てられないような劣化を言っているのであって、昔大宅壮一氏が言っていた一億総白雉化が再び進んでいるのであろう。
   

   政治家の劣化の極みは、安倍首相が政権を放棄して福田首相にバトンタッチした茶番劇と、その後に延長までして実施された臨時国会で、対テロ特別措置法一色で終始し、とどのつまりは最初の筋書き通りに衆院で再可決したことだが、実質的にまともに通ったのは、薬害肝炎に対する救済法案のみと言うお粗末さであった。
   そもそも、アフガニスタン対策の給油が、日本が得た重要な国際貢献カードのように重要視して、このカードを失うと日本の威信と信用が失墜するように嘆く自民党も自民党である。
   しかし、罪が深いのは、訳の分からない憲法違反や国連決議を持ち出して反対する民主党で、反対なら横になっても反対すべきだが、力で阻止すれば内外の反発は筆致なので、出来レースで土壇場で通してしまう茶番劇を演じている。
   
   民主党については、アメリカの民主党のように多少リベラル色が強いので、比較的好意的に対していたが、先の小沢代表の代表辞任騒動のドタバタで党の素顔を垣間見て、更に、小沢代表が、給油法案の衆院再可決の場で採決を棄権して大阪の選挙応援に出かけるに至って、考えを改めた。
   第一、小沢代表の国連尊重主義だが、国連とは何なのかが、全く分かっていないと言うべきで、国連とは常任理事国の勝手気ままなパワーポリティックスによって成り立っている、元々戦勝国の国際組織であって、統一世界政府の議会ではないことを認識すれば、この国連決議尊重が如何に危なっかしいものであるか、或いは、日本外交を誤ることになるのかと言うことである。
   早い話が、アメリカは利用できる時は徹底的に利用し、旗色が悪くなると無視して国連分担金も払わずに滞納するし、多少、良識ある行動を取ると幻想を抱けるのは英仏くらいで、自国の利権と政策のみしか関心のないロシアや中国が大きな顔をして力を行使している安保理が支配している国連を、一つの指針として考慮するのならいざ知らず、金科玉条のように信奉して、日本外交の方向を考えるなどは恐ろしい限りである。

   ついでながら、日高義樹氏が、「資源世界大戦が始まる」のなかで、「民主党はなぜだめなのか」と言う項目で、意欲的な若い政治家を多数抱えておりながら、国連や国際社会ばかり考えて行動する幹部政治家達が、日本の若者の多くが古い体制に飽き飽きして国連に魅力を感じなくなっているのに気付いていないと言っている。
   非難の矛先は、民主党の安易な移民政策で、欧米の例を引いて、これらの国が移民の受け入れによって如何に国家の治安や秩序が破壊されて悲惨な状態になっているかを述べて注意を喚起し、まして、移民に年金の支払いを期待するのなどは笑止千万だと言う。
   年金を税で賄うのなどは、世界では有り得ないシステムで、社会主義的な体質があるから国連を理想主義的な世界組織として信用し、国家をないがしろにしながら、年金は国が税金で払えと言うのは、首尾一貫していないのも甚だしいと言うのである。
   
   もう一つの民主党の欠陥は、国家は自らの力で自らを守るべきだと言う原則を全く理解していない。アメリカを非難するが、アメリカの安全保障の元で日本の安全が保たれていることを無視していると言うことである。
   これは、私がこのブログで何度も述べているポイントで、自分の国を自分で守れないような国は国家としての存在意義はないと言う点と相通じている。
   日高氏がアメリカが口が裂けても言えない本音であると言っているが、アメリカは、日本の基地を自由に使用する為に日本の安全を守る安保条約を維持しているのであって、それ以上でも以下でもなく、いわば、昔ブレジンスキーが言っていたように日本は軍事的には米国の属国なのだと言うことで、これを弁えずに、アメリカ非難を続けるとしっぺ返しがキツイと言う事である。
   
   このコンテキストで、小沢民主党の給油法案への対応やアメリカへの対応、国連重視主義などを考えてみれば、如何に、子供の議論かと言うことが分かろうと言うものである。
   日本が完全にアメリカから独立して自国防衛が可能な体制になってから、或いは、それが出来なくても、如何にそのような体制を構築するかと言う青写真を示してから、もう一度出直して来いと言うのが、私の民主党論である。
コメント
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