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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

大晦日のアメ横の雑踏

2008年01月02日 | 政治・経済・社会
   大晦日の1時過ぎに上野についたので、「ベートーヴェンは凄い!」演奏会まで、少し時間があったので、上野駅側からアメ横に入った。
   入口あたりから大変な雑踏で、アメ横から、上野中通に向かう二手に分かれる三叉路の真ん中、すなわち、アメ横センタービルの手前の角に設えられた特設バルコニーに警官たちが勢揃いして、交通整理のためマイクでがなり立てている。
   御徒町方向へ向かうアメ横は、警官が通路をブロックしているので、長い行列が出来て身動きが取れないのだが、文句を言う人は誰もおらず、静かに待っている。
   嫌に外人の多いのにはビックリした。アジア人は言葉で分かるのだが、白人系等は、欧米の先進国人ではなさそうであった。

   結局、入り込めば人込みで何にも見えないであろうし抜け出られそうにもないので、引き返した。
   上野公園への入口の広場では、上野の杜のブルーテントの住人達が集まって、酒盛りを始めていた。
   風がなく天気の良い日であったので、陽気に騒いでいたが、どんなことを話題にしていたのであろうか。
   
   夕刻、交響曲第四番の後、次の「運命」と「田園」まで、90分の休憩があったので、食事の後、また、夜のアメ横に帰ってきた。
   まだ、可なりの人で込んでいたが、特定の店の前以外は、スムーズに歩くことが出来た。
   しかし、御徒町駅に近い入口の店舗は、売り切れたのか、何店かは既に閉店していた。
   ところで、買い物客の大半は、生鮮食料品、特に、蟹やマグロと言った正月用の海産物を買うためにやってきていて、威勢の良い掛け声の派手な店の前には、まだ人だかりが出来ていて、結構売れている。
   早く店じまいをしたいのか、値段の下がり方が早く、残りが僅かとなった店などでは、総出で客を呼び込んでいる。
   かに等は、結構高くなっているのか、二つ三つつけて、と言う売り方ではなく、上から値段を下げて行く。1万円のものが3000円くらいまで下がるのだが、アラブ商人と同じで、おそらく、最初から3倍位の値段でスタートするのだろう。正札販売が当たり前で値切るのが嫌いな東京人には、非常に安いように思えるらしいが、薄利多売とは言え元を切っている筈はないので、少し安い程度なのであろう。
   デジカメを構えたら、厳ついおやじが、「おとうさん、カメラはダメだ。」と言って手を振った。

   3000円分のチョコレートや菓子が1000円、更に、TVで見たと声をかければ、追加で菓子をプラスティックバッグに投げ込む、そんな、菓子屋が人気を集めていた。
   風呂の番台ようの高みに立った兄さんが、威勢良くどんどんチョコレートを投げ入れてバッグ一杯にして、下の兄さんに渡すと、客が1000円を出して嬉しそうに受け取る。
   叩き売り口上の兄さんの前には、リントなどのスイスチョコレートが並んで陳列されているが、良く見ていると、袋に投げ入れるチョコレートは、別物のようであるが、何を入れているのかは、高台がみそで客には見えない。
   早い話、袋一杯の菓子だから、一つあたりの単価は100円以下だろうが、慈善事業ではないから、店も儲かっている筈で、アメ横だから商売になるのかも知れない。

   私は関西人なので、同じく年末に正月用品の買い物で賑わう大阪の黒門市場や京都の錦市場などの賑わいは知っているが、この方は、どちらかといえば、戦後に立ち上がったアメ横よりは歴史もあり由緒正しいと言うか老舗が多く、品物などもしっかりしているように思う。
   アメ横は、戦後払い下げられたアメリカ物資を扱う店が多かったからだとか米兵が小遣い稼ぎに物資を持ち込んで店を開いたからだとか言われているが、黒門市場や錦市場のように食品が主体の市場ではなく、アメ横は、宝石・時計、カバン・バッグ、衣料品・雑貨、スポーツ用品、クツ等々色々な種類の店があり、丁度、上野と御徒町のJRのガード沿いの通りなので、平日でも結構賑わっている。

   日本には、青空市場が比較的少ないが、欧米などでは、結構、あっちこっちの広場や道路上で、市が立っていて賑わっている。
   サンパウロにいた時には、場所を移動しながら、住宅街の広い通りに、フェイラと称する青空市場が立ち、主婦達は、新鮮な食料品などは、ここで調達していた。
   ヨーロッパの街などでは、土曜日曜は勿論、普通の日でも、結構、街の広場に青空市が立っていたし、骨董市なども頻繁に開かれていたような記憶がある。

   ヨーロッパの街を歩いていて面白いのは、このような青空市場だけではなく、常設の市場なども独特の雰囲気があり、それに、その国特有の面白い物が並べられていたりして結構楽しめる。
   あの世界の金融の中心ロンドンのシティにも、立派な由緒正しき市場があり、他と変わりのない市場風景を呈しているのである。

   何の買うあてもなく、年末のアメ横の雑踏を味わいたくて時間を過ごしたが、まだ、昔ながらの市場風景が残っていて中々面白い社会見物であった。   
コメント
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