goo blog サービス終了のお知らせ 

熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

課題先進国日本・・・東京大学の挑戦

2006年07月21日 | 政治・経済・社会
   東大の安田講堂で、東大と日経共済で「課題先進国日本~課題解決のために今何をすべきか~」と言うシンポジュームが開かれ、東京大学の関連部門の教授達が問題提起とその取り組みについて熱っぽく講演を行った。
   小宮山宏東大総長の挨拶兼基調講演を皮切りに、7人の教授達が、安心・安全への社会技術、脱温暖化と都市、サスティナブル・ビルへの挑戦、学術知識の統合、超高齢化社会、感染症、地球持続戦略研究について、かなり高度な問題を丁寧に語っていた。

   現在、人類は地球環境問題など極めて深刻で危機的な課題に直面しているが、人類の生存、および、持続的発展のためには、これ等の問題を早急に解決しなければならない。
   特に、日本は、ヒートアイランド現象、エネルギー資源少、廃棄物増加、環境汚染、少子高齢化社会等々深刻な問題を抱えた「課題先進国」であり、先進国欧米にモデルはなく、日本自らが、課題に挑戦する気概を持って問題解決を模索することが必須である。
   小宮山総長のこのような問題意識に立って、知の集積である東大がどのように取り組んで行くのか、その試みの一端がこのシンポジュームでもある。

   小宮山総長は、セメント生産のエネルギー消費、自動車の燃料消費、火力発電所からの硫黄酸化物排出量の国際比較を行って、如何に、日本産業のエネルギー効率が卓越しているかを説明して、
   課題のある国が解をつくる
   日本は力も実績もある
   課題解決先進国となるべき
   アジアと世界の社会モデルになれる
と日本の使命を説き、
   本質を捉える知
   他者を感じる心
   先頭に立つ勇気
を持って果敢に未来へ挑戦しようと檄を飛ばした。

   最近、マークⅡからプリウスに車を変えたが、燃費が良くて4月にガソリンを入れたままで、その後一度もガソリンを入れていない、と語って笑わせていた。
   エネルギー効率の良いのは、日本人のモラルが高いからではなく、資源小国日本が必要に迫られた結果の経済原則からで、アメリカはエネルギーが安いので効率化が進んでいないのだと釘を刺すことを忘れなかった。

   先生方の講義は、それぞれに興味深かったが、「超高齢化社会におけるSuccessful Aging」を講演したジェロントロジー(老人学)寄付研究部門の秋山宏子教授が、あらゆる老人に関わった学問分野を総合した老人学について語っていたが、正に、今日は学際の時代で、最早一つの専門分野だけでは学問が成り立たなくなっていること感じた。
   このことは、他の先生も強調していた点で、最低限度文理の協力は必須であり、今回の様な21世紀の課題先進国日本の未来への挑戦には、多方面の学問分野の協力と総合なくしては、有効な解の解明など有り得ないと言う事であろう。 

   
   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする