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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

滋賀知事選での市民派の勝利

2006年07月03日 | 政治・経済・社会
   今回の滋賀県知事選挙で、政党の基礎票では圧倒的に優勢な筈の自民、公明、民主推薦の現職の国松善次氏が敗れて、社民推薦の新人嘉田由紀子氏が当選して5人目の女性知事が誕生した。

   嘉田さんは、県債残高が年度末に9000億円に達する厳しい財政状況を強調し、東海道新幹線のびわこ駅や丹生ダムの建設凍結を訴えて勝利した。
   琵琶湖の研究者として培った人脈を生かした「草の根選挙」の結果、無党派層や女性の支持を集めて、終盤で国松氏を追い抜いたのだと日経は報じている。

   何の変り映えもしない施策を打って同じ県政を敷く現役知事に飽き飽きしていた滋賀県民の多くが、清新な嘉田候補の主張に賛同して逆転劇を演出した。
   無党派の改革指向派の動きを無視して理解しようとしない既成政党の驕りが、今回の敗北を招いた、そんな新しい波の胎動が今度の戦況の結果に如実に示されている。

   世の中が大きく変る予感がして小泉首相に賭けたが、引退間際になってその矛盾や無責任さが目に付き始めて失望し、どうせ又古い体質の自民に逆戻りしそうで次の総理に期待できそうもない。
   といって、小沢民主党も前よりはしっかりしていて多少は期待出来そうだが、今や古手ばかりが表に出てお手手繋いで中国詣で、新しいことをしてくれるようなことはなさそうだし、今回は無責任にも自民、公明の推薦する既成知事を相乗り候補に指名する体たらく。
   滋賀県民でなくても、失望せざるを得ない茶番劇選挙が行われたお陰で嘉田新知事が誕生した。

   新幹線の途中の田舎に、通過駅を幾ら作っても、これら既存の新幹線の地方駅が、田舎の真ん中にぽつんと建っているだけで、閑古鳥が鳴いていて、地域の振興なり活性化には何の貢献もしていないのは、全国民先刻周知の事実でありながら、何故、性懲りもなく新幹線の駅を作るのか。
   もうこれ以上国土開発の必要はなく、美しい自然と綺麗な琵琶湖を取り戻したい、関が原を通り抜け伊吹山を超えて開けた美しい近江平野を見ると誰もそう言う。

   小泉内閣だけの所為ではないが、所得格差以外に地方格差の拡大が酷い。
   バブル時代には、自民党のばら撒き行政と箱物建設全国展開のお陰で、どんな地方都市でも中心地には○○銀座等と言う商店街がありそれなりに賑わっていたが、バブル崩壊後の地方の疲弊は凄まじい。
   今や、一寸した地方都市のみならず、農村地域の過疎化と崩壊が異常に進行していて、美しくて貴重な地方の伝統や文化遺産、生活空間が、どんどん崩壊して消えてゆく。

   滋賀県は、古い歴史と伝統のある地方で、関西と名古屋圏の中間位置し琵琶湖と言う貴重な財産を持つ。
   日本の再生の為には何を成すべきか、地方の視点から模範解答を出してくれるような気がしている。

   
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