現代ビジネスのWebサイトに、「こういう市場もあるのか?」と思う記事があった。
現代ビジネス:「BTSは孫」と思って応援…フリマアプリからわかる「シニアの推し活」の実態
ご存じの通り「BTS」というのは、韓国のアイドルグループ(と言ってよいのだろうか?)で以前日本で活動をしていた時には「防弾少年団」と呼ばれていた。
現在は、米国に活動拠点を移し今年2月のグラミー賞で、アジア人としては初ノミネートされた。
そして2,3週間前だったと思うのだが、中国政府がBTSをはじめとするK-Popのファンアカウントを凍結した、と話題になった。
朝日新聞:BTSファンアカウント停止「推し活」で1時間に3千万円超集める
確かにグッズ購入で1時間で3千万円超えというのは、中国では問題になる金額なのかもしれない。
しかも、購入の中心が10代のファンであれば、「推し活資金」という点で問題視したのかもしれないが、どうやら「ファンの間で競い合うような推し活」がされている、ということが問題だったようだ。
中国側としては、BTSに対して元々良い感情を持っておらず、中国に落ちるはずのお金が韓国に流れる、ということも癇に障ったのだろう。
他にも、グッズの種類が多く文房具類のようなものからぬいぐるみ?日本ではおなじみのTシャツ等の衣料品、もちろんCD等、とにかく種類が多いらしい。
「らしい」というのは、私の知人のお嬢さんがBTSのファンで、知人に「推し活」としてグッズが欲しい!とねだったらしい。
その時、余りの種類の多さに驚いたという。
知人曰く、そのようなグッズを公式サイトで購入するのではなく、メルカリ等のC2Cサイトを利用して購入することが多いという話だった。
その知人の話を知っていた為、シニアの「推し活」にメルカリが登場するのだ、ということと結びついたのだ。
知人のお嬢さんはまだ中学生位なので、お小遣いも限られている。
そこに自由にお金が使えるシニア層が入ってくると、中学生では購入することができなくなる。
だからこそ、母親である知人にねだってきたのだ。
何より「何故シニアの女性が、BTSにハマるのか?」と考えた時、確かに「孫のような気持ちで応援」というところもあるだろうが、それ以前に「冬ソナ」等の韓流にハマった世代である、ということも関係しているのでは?と、考えている。
「冬ソナ」にハマった女性たちは、ハングル語を習い、韓国へ年に何度も足を運び「(ドラマの)聖地巡礼」を楽しんだ世代でもある。
経済的ゆとりはもちろん、K-Popにハマる要素があったのだ。
そこに、メルカリ等のC2Cサイトの登場により、チョッとした時間にグッズを気軽に購入することができる、ということになる。
メルカリ等に出品する人達がどのような人たちか?ではなく、出品された物がレア物であればあるほど、値は吊り上がるわけだが、経済的ゆとりがあるシニア層であれば、近くに居ない孫よりもネット上で会える「推し」の方が優先されるだろうし、今の家族関係において孫が可愛くてもお嫁さんに気を遣う位なら、自分の楽しみにお金を使いたい、と考えるのは当然なのかもしれない。
このようなシニア層の消費行動の中に、潜在的にあった「推し活」が明らかになったことで、「シニア×推し活」という市場に注目する必要があるのではないだろうか?
何故なら、今までメルカリ等のC2C市場と言えば、比較的若い層が中心だと思われていたと思われていたはずだが、「推し活」という社会行動により、その市場が広がりつつあるということと同時に、「推し活」の為にTwitter等を活用し、情報収集にいそしみ、「推し仲間」を作っているということを、IT企業も含め理解する必要があるのではないだろうか?