8月末の週末は、「24時間テレビ」というのが恒例となっているようだ。
放送開始から40年経ち、番組内容もマンネリ化してきている、と言われているようだが、それでも多くの視聴率もそれなりにあるようだ。
何といっても、メイン会場に集まる募金者の姿に、感動とまでは言わないにしても何かしら心動かされる方も、いらっしゃるだろう。
その一方で「感動の押し売り」ということを言われるようになって、久しい気がする。
実際のところ、30年以上この番組を見ていないし、興味そのものがわかないのでなんとも言えないのだが、番組を見なくなった理由の一つを上げるとすれば「美化している」感が、あったからのような気がする。
特にドラマなどは、「美化しすぎ」て感動以前に、白けてしまうこともあった。
その「24時間テレビ」のキャッチフレーズは、「愛は地球を救う」だ。
しかしこのキャッチフレーズに真っ向から、反論する放送局がある。
NHKのE-テレだ。
今月エントリした内容でも取り上げていた「100分で名著・カント『永遠平和のために』」を解説した、萱野稔人さんは、テキストの中で「”愛が地球を救う”といった『ラブ・アンド・ピース』的な理想論ではない」と、言い切っている。
カントの「永遠平和のために」という、難解なて哲学の説明のためとはいえ、「愛が地球を救う」という言葉を用いたのには、少し驚きだった。
なぜなら、この言葉を聞いた人の多くが「24時間テレビ」を思い浮かべるだろう、と感じたからだ。
そして、E-テレの攻勢はまだまだ続く。
番組フィナーレの時間に、「笑いは地球を救う」というバラエティ番組を放送するからだ。
E-テレ:バリバラ「笑いは地球を救う 検証!障害者✖感動」の方程式
バラエティと言っても、「バリバラ」という番組そのものは、いたって真面目に作られた番組だ。
過去何度も視聴したコトがあるのだが、専門家と一緒に障害者自身が自分の言葉で様々なコトを話したり、行動をしたりする番組だ。
「障害者」と言っても、身体的障害者だけではないことも特徴的なのだが、そこには「お涙ちょうだい」という「感動」は無い。
むしろ、そのようなモノを避けている。
だからこそ、今回のような番組をつくるコトになったのだと思うのだが、対戦する(?)相手は、いわゆる「お化け番組」。
一方「バリバラ」そのものは、ほぼ毎週放送されてはいるが、話題になるようなことがほとんどない「地味」な番組だ。
以前から思っていたコトなのだが、NHKの中でもE-テレそのものは、NHK幹部の意思が全く反映されず、制作側の意気込みを感じる番組が多いような気がする。
だからこそ、このような「挑戦的」な番組が、できるのかもしれない。