日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「父の日」が、景気判断の一つの材料?

2015-06-16 19:15:37 | ビジネス

今度の日曜日は、「父の日」だ。
既に用意をされた方もいらっしゃるだろうし、「何かあるのかな?」と、心密に期待されている方もいらっしゃるのではないだろうか。

今年の「父の日ギフト」で売れ行きの良いアイティムは(順不同)、
1.革製品小物
2.お酒
3.家庭で着る服
だそうだ。

商品としては、代わり映えがあまりしないような気もするが3.の「家庭で着る服」というのは、甚平のような「ホームウェア」ではなく、ポロシャツなど週末等に出かける服、ということだ。

ここ数年、「父の日ギフト」で人気だった(と思っていた?)「甚平」などではなく、ポロシャツのような普段着に移ってきた、というのは「景気判断」としては、良い傾向らしい。
しかも今年は、オレンジ(シャーベットオレンジのような色合いか?)やスカイブルーのような、軽やかで明るいトーンの色が流行色。
売れ筋となっている色も、やはりこのような明るく軽やかなトーンの色だという。

このような「父の日ギフト」の傾向は、「景気回復」の一つの目安だとも考えられる。
というのも、家計出費の中での優先順位として、男性ファッションというのは、比較的低いからだ。
おそらくお子さんのいらっしゃる家庭などの優先順位は、
1.子どものモノ(教育関係を含む)
2.女性
3.男性
なのでは?

理由は、改めて述べる必要もないと思うが、やはりお子さんに対しては、教育面だけではなく成長に合わせて購入する被服も多く、当然支出としても増える傾向があるはずだ。
2.の女性(奥様)に関しては、化粧など身を整えるための支出はもちろん、服にしても流行があるため、ある程度毎シーズンのように服を購入している方のほうが多いと思う。
それに対して、男性の場合、身を整える支出そのものが女性に比べ高くない。何よりも「ファッショントレンド」などとは、基本あまり関係がない。背広一着を購入するときの支出は、婦人服よりも高いかもしれないが、毎シーズンのように、購入するわけではない。
言い換えると、男性の場合「様々なモノを購入する機会」そのものが、女性よりも少ないといえるかもしれない。

とすれば、革製品のような「シーズンごとに買い替えない」アイティムや、ポロシャツのように休日外へ出かけるための服。気分的にも明るくなるようなカラートーンに人気が集まっていること。
自分のための消費ではなく、「ギフト」として増えてきていることを考えると、緩やかではあるが景気マインドが上向きになりつつあるのかもしれない。
なぜなら「ギフト(=贈り物)を考える」というのは、「心のゆとり」が必要だからだ。