日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

高度成長期の象徴の終幕

2012-12-05 18:17:59 | アラカルト
Yahooのトピックスに、「日産ブルーバードの車名に幕」と言う見出しがあった。
現在は「日産ブルーバード・シルフィ」と言う車名で販売されているクルマを「シルフィ」だけにするために、「ブルーバード」という名前が無くなると言う。
このニュースを聞いて、様々な思いを巡らせた方も多いのではないだろうか。

日産の「ブルーバード」とトヨタの「パブリカ」は、ライバル車だったような印象がある。
トヨタの「パブリカ」は、その後「カローラ」に代わりトヨタの代表的な車種となっている。
「ブルーバード」も「パブリカ」も、いわゆる「大衆車」として製造されたクルマだった。
「大衆車」と言っても、発売当時は「大衆憧れの車」だったのでは?
なぜなら、発売されたのが半世紀以上前の話。
「日本のモータリゼーションの夜明けの頃」の話だ。

私が覚えているのは「技術の日産」というコピーが、CMの最後で使われる様になった頃。
その頃は、販売力のあるトヨタに対して、高い技術力で性能の高さを謳っていたのが日産で、その代表車が「カローラ」と「ブルーバード」だったと記憶している。
うろ覚えなので大変申し訳無いのだが、40年近く前の話なのでご容赦願いたい。
その「ブルーバード」という名前が無くなる、と言うのは中高年のクルマ好きの方にとっては、寂しいモノがあるのではないだろうか?
免許を取って初めて運転したクルマが「ブルーバード」だった、と言う方も多いと思う。

改めて考えてみると「ブルーバード」や「パブリカ」が、登場した頃の日本は高度成長に向かっている時だった。
それまでの砂利道がきれいに舗装され・・・名神高速ができ、東名高速が「東京オリンピック」の開幕にあわせる様に開通。
「大衆憧れのクルマ」が、一気に「大衆車」へと変わった時代でもある。
その意味で「ブルーバード」という名前は、本当に「青い鳥」だったのかも知れない。
日本中に活気があり、モノを買う喜びのようなモノが実感できた時代でもあったのだから。

時代が代わり「経済成長」そのものに期待ができない今、というに合わせるかの様に「高度成長期の象徴」の終幕というのは、「青い鳥」を求めるコトの難しさのような気もする。