日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

高速道路のインターチェンジとまち

2012-02-22 20:49:15 | アラカルト
大雪に見舞われた山陰から、帰ってきた。
それにしても今回の大雪は、17年ぶりだったようだ。
大山は観測以来の3mを超えたと、ニュースになっていた(私は知らなかったのだが、どうやら全国の天気予報でも取り上げられたようだ)。

私が実家のある米子に帰省するとき利用するのが、高速バス。
名古屋からの直通便は夜行バスしかないので、昼間の帰省には大阪発の高速バスを利用することになる。
この高速バスが、実はとても便利なのだ。
大阪からなら3時間半で米子に到着し、料金はJRの2/3程度。
そのようなコトもあり、ここ10年ほどは高速バスばかりを利用している。
そして気がつくことがある。
それは、高速道路のインターチェンジ付近の風景の変化だ。

都市部に住んでいる人たちがイメージする「高速道路のインターチェンジ付近の風景」と言うのは、おそらく運送会社など物流関係の集配施設が数多く並んでいる、と言うモノではないだろうか?
実際、名古屋の東名のインターチェンジ付近には、運送会社や製造会社をはじめとする企業の集配センターなどが数多く建ち並んでいる。
いわば「物流センター地区」のような感じだ。

ところが、中国自動車道などで見かける風景の中には、インターチェンジ付近がまるで駅前化しているようなところがいくつかある。
ご存知の方も多いと思うが、中国自動車道というのは山間に造られた高速道路だ。
JRの在来線などの本数が減り、従来の交通システムだけを頼っていてはまち全体が寂れていくようなところが多い。
そんな中、インターチェンジの付近には大型ショッピングセンターが出来、ショッピングセンターが出来たことで新しい大型家電量販店や大型書店などができているところが、ぽつぽつとある。

以前大型ショッピングセンターの立地は、「都市郊外」だった。
それが、今では「都市中心地」へと移りつつある感があったのだ。
その雰囲気は、駅前のような賑やかさを車窓から感じさせる。
もちろん、そのような大型ショッピングセンターは、周囲の町村からの買い物客を集客させることになっている。
インターチェンジ近くにあるコトで、むしろ交通の便がよい立地条件となっているのだ。
となれば、大型ショッピングセンターの集客力にあやかろうと、様々な商業施設が周辺に集まってくる。
生活者の生活エリアが大きく変わってきているのだ。

実家のある米子を例に挙げると、いわゆるインターチェンジ近くにある郊外型のショッピングセンターには平日でも県外ナンバーの車も含め、数多くある。
ところが、駅前の商店街だけではなく市内の百貨店などは閑古鳥が鳴いているのに近い状態。
百貨店や商店街そのものの魅力が低下している、と言うこともあると思うのだが、その違い振りには、チョッと考えるモノがある。
まるで駅前が、インターチェンジに移ってきたような違いがあるからだ。

おそらく、全国的にこのような現象が起きているのでは?と考えると、生活者の行動変化とインターチェンジの関係が、大型ショッピングセンターの立地を変えさせた様にも見えてくる。
高齢化社会となり車を運転する人が減ってきた時、まちはどのような変わるのか?それを考える一つの材料にもなるような気がする。