ここんとこづっと続いている暑さは尋常ではない。
常識を逸している。
この世のものと思えない暑さ
「危険な暑さ」「命にかかわる暑さ」と表現されるが、実際に死ぬ人が続出しているので決してオーバーな言い方ではない。
テレビでは「昼間は外出を控えるように」「こまめに水分を飲むように」「ためらわずに冷房をつけるように」
と事態がいかに異常であるかの如く、連日高温注意報を流し続けている。
こういう暑さはこれまで「暑さ」と書いていたが、これからは「熱さ」と書かなければならないような暑さ。
火で焙られているような熱さ。
滝のように流れる汗を拭き拭き「エ?何だって?昼間は外出を控えるようにだって?」
言われなくたって誰だって控えているんだよ。
だけど毎日の生活というものは、それじゃ済まされないんだよ。
「エ?何だって?こまめに水分を飲むようにだって?」
こまめに、というのが気に入らないな。
こういう細かいところにまで口出ししなくてもいいんじゃない。
「エ?何だって?ためらわずに冷房をつけるようにだって?」
電気代のことも言わず、ためらってはいけないのか。
当方、乾いた雑巾をこれでもか…とまだ絞られ、カラカラに干上がってしまった煮干しみたいになってしまった。
ただ帰宅してただちに冷蔵庫に直行し、缶ビールのプルタグをプシュッとこじ開け、ゴクゴクと喉に流し込むと、人生のささやかなヨロコビを感じるのであった。