年に360日は欠かさずサケを飲んでいる。
サケを飲むとき、とにかくスタートはビールからだ。
ビールでスタートしないと大変な損をした気になる。
まずビールから始まり、焼酎などの強いサケに入っていく。
この順列は、我が胃袋肝臓連合軍の中で、はるか昔から厳しく強固に決定づけられていて、それ以外の順序で侵攻していくことは考えられない。
例えば、とてつもなく高価で優雅な大ごちそうに、幻の銘酒と言われるようなものがあって、雪見障子の向こうに春の雪。
目の前に京美人が艶然かつ妖しく微笑んで、「おひとついかがどすか」。
などとその女も雪に負けないくらい白い手で、すっと盃を差し出してきたりしても、そこにビールがなければ心は動かない。
それだったら橋の下の段ボール製の小屋の中、炭より黒いオババがニカッと笑って、赤い歯茎の3センチもむきだしにしながら。
しかしその手の中によく冷えたモルツかエビスの生ビールが並々。
遠くで妙法寺の鐘の音が陰にこもってグワーンなどと鳴っていても、自分は炭黒オババの生ビールのほうを選ぶ。
でもって素早くジョッキ三杯ぐらいを飲んで、そのあと走って京都の雪見障子に行く。
我が飲酒人生は、空腹でビールのあるところにノコノコ向かってしまうから、いつもダメなのだ。
酔っ払い人生はいつまで続くのだろうか。
このブログが途切れたときが、そのときかもしれない…