日本はこれから老齢化がどんどん進んで、世の中に老人があふれる時代がやってくる。
今でもあふれているのだが、更にあふれてくる。
老人は金はないが暇はある。
こうした金はないが暇はある老人のレジャーとして、いっときゲートボールが流行ったが、いつの間にか廃れた。
団体で何かをする、というのは頑固な老人たちには向かなかったのか、はたまた高齢になって動けなくなったか…
どちらかであろうと思われる。
なれば一人で、暇な時間に金をかけずに楽しく過ごすにはどうしたらいいか。
定年退職後に蕎麦を打つのもいいが、鉛筆を削る、というのも悪くないと思う。
心静かに鉛筆を左手に持ち、右手に持ったナイフの刃先を鉛筆の木部に当てる。
ナイフの背のところに左手の親指を当て、親指に力を込めて押していくと…
刃先はズリズリと木部を削っていって、一片の木屑がハラハラと下に落ちる。
ズリズリのところが楽しい。
そして懐かしい。
そうそう、かつてはこうやって鉛筆はナイフで削ったものだった。
木材とナイフの刃の相性の良さを改めて思い知る。
毎日5本、時間を決めて心静かに鉛筆を削る。
そして紙に俳句を書く。
キーボードで字を打つのではなく、鉛筆で紙に書くのが風流。
本日の一句。
若人は 万年筆を 知らんがな
季語がない。
お粗末。