いい湯旅立ち 3

中国地方最大級、100％源泉かけ流し日帰り温泉施設割烹温泉ゆらり。

旧平田市にあります　　　　　　　　　　

温泉は団体客が多い。

したがって大浴場にも団体でやってくる。

そうすると大浴場内に勢力争いのようなことが起きる。

同じグループが7～8人、ドドドっと入ってくると、それで浴場内を制覇したという感じになる。

それぞれの会話が飛びかい声も大きい。

それまで3～4人のグループで声高に話をしていた人たちが急に静かになる。

それまではこの3～4人が浴場内を制覇してたが、政権交代の時期がやってきたのである。

旧政権の3～4人グループは、新政権に圧倒されて押し黙り一人あがり、二人あがりして、まるで敗れ去ったように浴場を出て行く。

残りの二人は片隅に移動する。

新政権は意気盛んである。

浴場内のあちこちに分布して、大声で会話を交わし合う。

しかし、しばしの時が流れると、この最大派閥も一人去り二人去りやがて中小の派閥に成り下がる。

次第に声が小さくなったところへ、ガヤガヤの大声と共に新内閣が浴場になだれ込んでくるのである。

栄枯盛衰、勝者必滅の法則が、平和な温泉郷の浴場内でも繰り返されているのである。

浴場内の勢力争いは、ただ単に数の原理によって決着がつくのであった。