「俳句」7月号の平成の名句600をまだ見ている。
そこで、20人の俳人が選んだ句。例えば池田澄子。
人が人を愛したりして青菜に虫
大広間ななめに雪を確めに
茄子焼いて冷やしてたましいの話
人類の旬の土偶のおっぱいよ(3人)
前へススメ前へススミテ還ラザル
般若波羅蜜多甘そう涼しそう
戦場に近眼鏡はいくつ飛んだ
この中の多くは、平成17年刊行の「たましいの話」に収録されている。選者は、「この句」というよりも、池田澄子という俳人の句がやはり平成という時代を代表している一つの句だと感じているのだろう。
形式で言えば、ほとんど口語。切れ字がなく散文的である。
俳句は文語が常識の中で、口語表現は定着するのか。子どもの句が文語で書かれることはあり得ないことを考えると興味がある。
池田澄子の歳は別として、「人が人を愛したりして青菜に虫」など若い女の子の雰囲気だ。
「般若波羅蜜多甘そう涼しそう」この句もおばさんらしくない。
「茄子焼いて冷やしてたましいの話」若い女の子が何人かで旅行をしている、その一風景に見える。
「戦場に近眼鏡はいくつ飛んだ」この戦場は、どこだろう。少なくても太平洋戦争らしくない。中東という雰囲気だ。映画で言えば、「ハートロッカー」の様な感じだ。
題材とその切り取り方ということなんだろうか。