グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

つばき小学校ジオパーク校外学習

2012年10月25日 | 火山・ジオパーク
大島町立つばき小学校5~6年生のジオパーク校外学習に、ガイドとして参加しました。

1学年を2組にわけ、それぞれガイドがつきました。
私は6年生、女子チームの担当でした。

9時30分~14時30分まで、お昼をはさんで火口一周~森へと抜けるロングコースだったので、事前の打ち合わせで「前半はクイズをしながら火山に親しみ、昼食後は最小限の説明で歩く」というスケジュールに決めていました。

で、作ったクイズは、これです。

一問ずつガイドがクイズを出しながら、その答えと共に説明をするという流れで進みました。

「穴だらけの石。なぜ石に穴があいてる?」
この質問、大人でも答えられないことが多いので、3択のヒントを用意していました。

1虫が穴をあけた。2植物が穴をあけた。3マグマが地下で泡立った。

ヒントが簡単すぎる気がしますが、まったく火山になじみのない島外の子ども達は「虫が穴をあけた」に手を挙げる子も結構いるのです。

ところが今回はみんな「空気がはさまった!」「空気が中に入りこんだ!」と次々に回答。「さすが火山の島の子ども達、学校でまだ火山を習っていないというのに良くわかっているなぁ~。」と感心しつつ、噴火のしくみを説明。

山を流れ下ったゴツゴツ溶岩の前で「これが自分の家に向かって来たらどうする?」という質問では…

「逃げる!」
「え?でも家が燃えちゃうよ?」と私。

「逃げるよ。家より命が大事!」
ごもっともです。(笑)

26年前の割れ目噴火の溶岩は、みんなの学校からそう遠くない場所まで流れて来ました。
なので全員が「町に迫った溶岩流」の存在を知っていました。

この溶岩の流れをどうやって止めようとしたか、噴火から町を守ろうとする大人達の「とりくみ」を説明しました。

アア溶岩の上で、岩をどけながら「冷たい空気が出てくるよ!」と興味津々の子ども達。


センブリの葉をかじった時は…

「あんまり苦くない。」という感想もチラホラ。
みんな日頃アシタバを食べているから「苦み」に強いのかも?

途中で仕事中の国土地理院の人(たぶん)がいて「1mmの10分の1のずれ(高さの)を測れるんですよ。」という説明をしてくれました。

「島が少しずつ膨らんでいるんだよね。」という会話をしながら、山頂へ。

ここで、後半の質問。「ビッグサイズの岩。なぜここにある?」
(写真はクイズに使っているものです)

実はこれも、火山になじみのない人にすると、まるで答えを思いつかない質問です。
で、ここでも3択のヒントを用意していました。ところが…

「流れて来た!」(これ、一番多かったです。正解~。)「飛んで来た!」
ヒント、必要なし!(笑)

掘ると湯気が出てくる場所で、「あったかい~!」とみんな。

「地球って素敵!」の声も聞かれました。

今日みんなと歩いて、島の子ども達にとって火山は身近な存在なのだなぁ、と感じました。学校で習わなくても火山を体感している…これってスゴイです!

地面の下に「マグマ」があることを知識ではなく、肌で感じることができる子ども達が、今の日本にどのぐらいいるでしょうか?

「島の子ども達は、島にとってだけじゃなく、日本にとっても地球にとっても財産かも!」と、本気でそう思いました。

子ども達は、とっても素敵なものも見つけてくれました。
その“素敵なもの”は、この写真の中にあります。

三原山に向かってお祈りする犬の鼻、ハート型だったのです!
こんな場所にハートがあったとは、知りませんでした。

宝物がいっぱい見つかった、とても楽しい1日でした。

(カナ)
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