車を降りた途端、ふわっと甘い香りが鼻をくすぐりました。
5月1日のツアー中、波浮港展望台でのことです。

見下ろすと、火口壁がほんのり黄色に染まり始めていました。
スダジイの花が咲き始めた合図です。
その香りは、私が住んでいる島の北部にもやってきました。

5月7日。大島周回道路の上から森を見下ろすと、木々のてっぺんがスダジイの花で明るい黄色に染まっていました。
あまりに香りが強いので、毎年この時期になると、「もし私が虫だったら、吸い寄せられるように花に飛んでいくんだろうな」…なんて思ってしまいます(笑)
そして昨日。雨の合間をぬって、図鑑用に植物の写真を撮りに行った時のこと。

沢沿いの道にびっしりとスダジイの花が落ち、まるで黄色い絨毯を敷いたような景色になっていました!(驚)

今日も昨日も高速船が全便欠航するほどの大荒れの天気だったので、その影響かもしれません。

ものすごい量の花が散って、地面からもあの甘い香りが立ち上ってきます。
…もう受粉は終わったのでしょうか?
こんなに早く散ってしまって大丈夫なのかな?
気になって、スダジイの花のしくみについて調べてみました。
すると、スダジイには同じ木にオスとメスの花が咲くけれど、それぞれ別の花序に咲くと書いてありました。
ということは、今回大量に散っていたのは全部オスの花?

本来、もう散る時期で、強風で一気に加速しただけなのかもしれません。
気になって仕方がなくなった私は、再び観察に出かけました。
日が長くなったおかげで、18時を過ぎても、まだ明るいのはありがたいです。
咲いている株をじっくり観察すると、華やかな雄花のすぐそばに、ひっそりと咲く雌花を見つけました。

(オシベをたくさん出している華やかな雄花の下に、雌しべをチョコンと出した雌花があります)
昨日と同じ沢にも行ってみました。

散っていたのは、やっぱりすべて雄花のようです。
ということは、雌花は木に残ったまま、どんぐりを実らせる準備を進めている…はず!
そういえば5年前、スダジイの花に集まる虫たちをブログにまとめた時にも、たくさん写真を撮っていました。
その写真も見返してみました。
そこには、華やかな雄花と、

地味で短い雌花序が写っていました。(2匹の虫の間にいるのがそれです)

…ところが!

なんと、雌花の先端に雄花がついているように見える花もあったのです!!
これって、どういうこと…?
図鑑作りのおかげで、新たに知ることが少しずつ増えていきます。
でもその分、疑問も次々と湧いてくるんですよね😅
修行は続く、です(笑)
(かな)