グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

これ、なんざんしょ?

2011年11月18日 | 植物
まだ暖かいので、なかなかキレイな紅葉は見られませんが、
風景の中に黄色く目立つものが多くなって来ました。

ツワブキの花や山芋の葉っぱ・・・

ゆずの実などの柑橘類も、さすがに季節です。色づいてきました。
さんまに、鍋もの、ハニーほっと柚子なんてのも良いですね。
食欲ばかり(笑)

今まで気付かなかったのに、色づいて初めて分かるってことありませんか?
枝先に赤い花のような物が見つかりますか?
都道沿いの、土手のような所に生えているのに、
今まで気付きませんでした。

本当は、助手席からの「あれ、何だろう?」の声で分かったのです(汗)

近づいて、よく見ると↓
鮮やかなサンゴのような・・・花?

丁度、25年前の今頃、三原山火口から噴出していた溶岩のような色!?

何でしょう? よく探してみると↓
かろうじて、実が1つ付いてます!
花柄が赤くなって、実は落ちてしまったのか、食べられたのか???
これは、何ざんしょ?!

枝と葉を見て分かりました↓。
交互に生えているトゲ。
互生する棘と、香りがいまいちの葉で、イヌザンショウと分かりました。
大島では、薄暗い山中で小さな個体を見たことがあるだけです。

以前、サンショウのことを載せた時には、手頃なイヌザンショウのありかを
知りませんでした(汗)

昔、深沢七郎さんの『妖木犬山椒』を読んで、
どこかの山中に妖しいイヌザンショウの大木が生き続けているイメージが、
あるのですが、いまだに太くなった個体を見ていません。

普段、よく目にするのは↓、
両側に2種の若いサンショウの仲間があります。
ここは、去年太い木を伐採した後に芽生えた若い株たちが見られます。
分かりますね?

左側がカラスザンショウ↓
うなぎを食べる時にかける山椒の粉を、
甘ったるくしたような匂いがします。

このカラスザンショウは、生長が早く、かなり太くなります。

右側はサンショウです↓
サンショウは若芽を佃煮などにしたり、
料理の添え物にしたり、いろいろ使われます。

若芽や若い株の葉は、小葉の中程に白っぽい斑があります↓
左側は、生長した大人の葉。

3種類の葉っぱを並べてみると↓
左から、
カラスザンショウ、サンショウ、イヌザンショウ、です。

カラスとイヌがいて、サンショウはホンザンショウとも言うそうです。

サンショウの棘は、対になって出る対生です↓
トゲや樹皮の感じは、
サンショウとイヌザンショウが、よく似ています。
カラスはトゲが目立ちません。

サンショウの実は、ご存知の方も多いと思いますが、一応↓
夏、緑色の時に採って、塩漬けにします。
この赤い皮が弾けて、中から黒いタネが出てきます。

花柄はイヌザンショウ程には赤くありません。
鳥たちにとっては、イヌザンショウの実の方が目立って見つけやすく、
おいしいのかも知れません。

サンショウは出て来ませんでしたけど、
タネの話は、昨日へ続きます↓

(なるせ)
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2 コメント

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サンショウといえば、 (小原比呂志)
2011-11-19 08:23:22
こんにちは。屋久島の山中にはヤクシマカラスザンショウもありますよ。遺存固有種で、カラスザンショウより、ちょっとぼってりした感じです。
返信する
いろいろありますねー (なるせ)
2011-11-20 09:17:42
小原比呂志さん、
コメントありがとうございます!
南西諸島も固有種や亜種が多いのですね。

今回、調べていて、サンショウをヤマザンショウと呼ぶことも知りました。古くはハジカミとも呼んだとか。

見たことはないのですが、栽培種には、トゲのないアサクラサンショウや、実の大型なブドウサンショウなどもあるそうですね。いずれにしても、多食は良くないと言われるようです。
返信する

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