グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

カブトムシ、クワガタムシ(伊豆大島の動物シリーズ8)

2020年08月04日 | 
ものすご〜く間を開けて、時々投稿している「伊豆大島の動物シリーズ」
今日は子どもたちに大人気のクワガタです。

まずは昨年のジオガイド養成講座講師の天野氏の講演資料から。

 「伊豆大島には数種類のクワガタムシが見られるが、カブトムシは(コカブトムシを除き)元来生息していない。クワガタムシの仲間は朽木の中で幼虫時代をすごすため、大昔に朽木と共に島に流れ着き、定着したと考えられる」
 「しかし、幼虫時代を腐葉土の中ですごすカブトムシは、島に分布することが難しかったと考えられる。成虫が飛来してもクヌギやコナラなどの成虫が好む樹種がほぼないので定着はできなかったのであろう。ただし、近年はペットとして人が持ち込んだ本州産のカブトムシが伊豆大島の野外で見つかった例もある」

 「伊豆大島にはノコギリクワガタ、コクワガタ、ヒラタクワガタ、イズミヤマクワガタ、ネブトクワガタ、マダラクワガタ、ヒメオオクワガタの7種類が記録されている」
 「しかし、このうちヒメオオクワガタは1950年に採集された標本が1個体あるだけで、標本の採集地ラベルの誤記との見解が有力である。伊豆大島ではミヤマクワガタは本土産のものと形態が異なることから伊豆諸島産の亜種『イズミヤマクワガタ』とされている」

 「ノコギリクワガタが多産するのは、大島の夏の風物詩だが、本土のものと比較して体が太く、大きいことや、足が長いことなどから、伊豆諸島北部型とされる。しかし現在のところ亜種には分けられておらず本州のものと同一とみなされている。しかし、さらに南の新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島に生息するノコギリクワガタは頭部が小さく、大あごが短く、足が長いなどの特徴がより顕著であるとして、2009年に別亜種『ミヤケノコギリクワガタ』と分類された」
 「ちなみに八丈島産のクワガタは、ハチジョウノコギリクワガタ(別種)、ハチジョウネブトクワガタ、ハチジョウコクワガタ、ハチジョウヒラタクワガタ(別亜種)など、固有種または固有亜種のクワガタが多く、伊豆諸島の中でも八丈島が古い時代に分離されたことを示しているともいわれるが、南西諸島方面からの海流の影響なども考えられるため、理由はわかっていない。また伊豆大島ではないが、御蔵島と神津島にのみミクラミヤマクワガタという固有種が生息している。近縁種が中国にしか居ないという謎の分布を示す飛べないクワガタであり、どこからどうやってきたのか興味深く、今後の研究が待たれるところである」

 …ということで、過去のブログからクワガタの写真を拾ってみました!

ネブトクワガタ
オス

幼虫より小さくて驚きました!

(2012年4月 西谷撮影)

コクワガタ

(2018年6月・願法撮影)


(2015年7月・願法撮影)

イズミヤマクワガタ
オス

(2011年9月 西谷撮影)


(2014年9月・願法撮影)

メス

(2015年7月・西谷撮影)


(2014年8月・願法撮影)

ノコギリクワガタ
オス

(2019年8月・願法撮影)


(2019年8月・願法撮影)


(2018年8月・西谷撮影)


(2012年10月・願法撮影)

メス

(2014年8月・願法撮影)

最後にカブトムシです!
天野氏の文章は以下のとおりです。
「ちなみに、伊豆大島にもカブトムシの仲間はいて『コカブトムシ』という小さな角を持つ小型のカブトムシが生息している。こちらはクワガタ同様朽木で育つため、同じように島に海洋分散してきたと思われる」

コカブトムシの写真です!
オス

(2010年7月・成瀬氏撮影)

メス・(目が白くで「ホワイトアイ」と呼ばれるそうです)

(2019年8月・願法撮影)

まだまだ写真はありますが、今日はこのへんで…。

もっと詳しくご覧になりたい方は過去のブログをご覧ください。
(すごい量です・笑)

(かな)
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2 コメント

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Unknown (三村彩子)
2020-08-06 06:17:47
8月3日から、半年振りに草刈に帰ってきたけど、ヤシャブシの木だけは切らずに残しました。あの子達の居場所は大事だもの。ちょっとだけブルーベリーのジャムも置きました。別にアリンコ達のためになるのでもいいので。井上さんちのおくです。
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喜びますね。 (かな)
2020-08-06 11:26:49
草刈り、お疲れ様です。
人助け、ならぬ虫助けですね😊
きっと喜んで樹液を吸いに来るかも😊
返信する

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