きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

日露の外交にマイナス

2011-02-08 11:29:08 | Weblog
日露の外交にマイナス      (011.02.08.)

菅直人首相が、ロシアのメドベージェフ大統領の国後島訪問を「許しがたい暴挙」と強い調子で非難した、と報じている。北方領土の日の7日に開かれた返還要求全国大会で、菅総理が、「北方4島の帰属問題を解決し平和条約を締結すると言う基本方針に従い強い意志を持ってロシアと粘り強く交渉する」と力説し、その勢いで、露大統領の国後訪問を「許しがたい暴挙」と非難したのである。

菅総理の北方4島の帰属交渉は、半世紀以上もの昔の話で、当時は国後島での住民はむしろ日本への帰属を望んでおり、電気も充分に使える状態ではなく、学校や医療関係の設備、急病人がでれば日本の助けに依存することばかりであった。
従って、住んでる住民にしてみれば、領土問題も日本への帰属を望んでいたようである。

日本政府も、その様な状況に心を許し、ロシア側も日本への強い依存に期待を寄せていた時代であったのです。

しかし、あれから半世紀、現地の人達は、生活苦を克服して、発展に努力し、其れを助けてくれるロシア政府に頼る事が多くなり、今日では最早、小中学校や医療機関も充実し、海産資源を、生産する500人規模の会社が3000人規模にまで大きくなり、働く従業員も本国から多数が移住し、保育所設備まで完備していると言う様変わりの状態である。

その間日本は何もせず、時が来ればスムースに交渉は纏まると高をくくっていた事が今日を招いている。
最近の国後・択捉住民の調査では、最早日本に依存するものは何も無いと言う結果が出ている。これは、完全なロシアによる実効支配が出来上がっていることを示すもので、菅総理の「許しがたい暴挙」発言は、半世紀前の古い昔の考えではそうかもしれないが、いまでは、むしろロシアを刺激する発言となって、逆に強い反発を受けている。

ロシアのラブロフ外相は、「もしかして日本の首相は、勝手気ままに活動する団体(領土返還要求団体)から取り残されないよう決意したのかも知れない」と発言し、またプリホチコ大統領補佐官(北方領土担当)からは「今では、ロシアも主権に関する再検討する事は考えていない」とも述べている。

これは、「日本に何も期待するものは何も無い」と言っている事であって、日本の一人よがりの考えだけである。

交渉と言う物は、相手にも魅力を感じさせる取引材料を持っていなければ成らない。
日本は今や、何の魅力も無いのである。今では北方領土の経済は海産物輸出が盛んで、中国・韓国の業者が頻繁に出入りしていると言う事です。
歯舞・色丹問題も、返還には相手に魅力が無ければ、交渉のテーブルにも付かないのではないでしょうか。
(えびなたろう)


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