青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

2009.5.4 湖北恩施 白いレンゲソウ 24

2011-03-11 14:02:27 | 湖北 恩施 長江ほか



(第24回) 付録2009.5.5


今、写真を整理しつつ思ったのですが、わざわざ湖北省の僻地まで足を運んだ本来の目的は、そもそも、この仲間の植物の探索です。それが、たとえ夕暮れ時で、枯れた株であったにしろ、数枚の写真を写しただけで通り過ぎてしまうとは、何たることかと。この仲間、というのは、アジサイ属のアスペラ類、そして、通説通りにアスペラ類に含めてしまっても良いのかどうか考えあぐねている、タマアジサイとその近縁数種のことです。アスペラ類は、中国における野生アジサイの主役です。真正の野生アジサイと言って良い、ヤマアジサイ類(ことにガクウツギの一群)は、長江流域以南にしか自生していません(湖北省西部は微妙なところ、一応非分布地帯となっていますが、湖南・広西省境付近に豊産するカラコンテリギの分布が、この辺りにまで達していても不思議ではないでしょう)。代わって、広い地域に亘り多数の種が繁栄しているのが、アスペラ類。狭義のアスペラ類は日本には分布せず、一応同じ仲間に含められるタマアジサイが固有分布します。アスペラとタマアジサイは、幾つかの共通点を持ちますが、苞葉が若い花序を包み込む際の様式が、大きく異なります。ともに真正のアジサイ類(ヤマアジサイ~ガクアジサイの一群や、ガクウツギ~カラコンテリギの一群)からは類縁的に大きく離れて位置付けされるにせよ、それぞれもまた、別のグループに所属せしめるべきではないか、と言うのが僕の考えです。先に“タマアジサイとその近縁数種”と記した、“数種”とは、1種か2種か、実はそれが問題です。確実なのは、日本(本州中部、伊豆諸島、三島列島黒島&トカラ列島口之島)産のタマアジサイの他に、台湾産のナガバノタマアジサイ。しかし、中国の文献を解読するに、どうやら湖北省の西部(というのはこの辺りのこと)産のアスペラ群の1固有種が、タマアジサイに近縁なのではないか、という可能性が浮かび上がってきます。といっても図示もされていないことですし、記載文に明確にタマアジサイとの共有固有形質が示されているわけでもないので、あくまで可能性に過ぎないのですけれど、“湖北省西部”と言う地域は、様々な重要生物が記録されている、いわば特別な地域でもあります。野生アジサイで言えば、もう一種、日本の限られた地域にのみ固有分布する、ギンバイソウ(外観上の印象に基づきアジサイとは別属に置かれていますが、本質的にはアジサイ属の一員)の、唯一の近縁種が、やはり湖北省西部から記録されているのです。今回出会った枯れ株は、果実の形態を見る限り、明らかに通常のアスペラ類で、タマアジサイと共通する固有形質は見出されません。いずれにしても花期は晩夏ですので、花序を包む苞葉の状態を観察するには、時期が早すぎます。でも、“第3のタマアジサイ”確認に向け、もう少し執念をもって、この株の観察に当たるべきだったと、今になって反省しているのです。









花色はサクラツツジに良く似ています。いずれにしてもミツバツツジの仲間。








ガマズミ属のガマズミ、またはその近縁種。






僕の悪い癖、その4、ブタを見ると、ついシャッターを切ってしまいます。中国では、イヌの代わりにブタを飼っているところが多いのかも。吠えないし、噛まないし、美味しいし、それにとても可愛い!!








白い壁と茶色い壁と黒い壁は、新旧の違い? 貧富の差? それとも、もっと別の意味が?









忠県(重慶市)~上海。はるばるやってきた長距離バスを見て感傷に浸れるのも、あと僅かなのかも知れません。高速道が全通すれば、すれ違ってもこれと言った想いは湧いてこないことでしょう。ちなみに重慶~上海は、佐世保(あや子さんの地元)~青森間にほぼ相当します。








野生アジサイ、ウリハダカエデの仲間と共に、僕が執着しているモミジイチゴの仲間、リュウキュウイチゴに良く似た葉を見つけました。残念なことに辺りは薄暗くなってしまっていて、まともな写真が写せません。






サルトリイバラの仲間。確か、沖縄で似た種を見かけたように思うのですが。





コメント
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