今日は、午前中晴れ間が広がった。今日も庭に出て、草抜きをする。これで、庭の草抜きはほぼ終わった。蒸し暑くなったとはいえ、まだ、それほど苦痛ではない。
午後は、読み進めてきた浅田次郎の「終わらざる夏」を読み了えた。上巻では、多くの人物が次々とめまぐるしく出てきくるので、余り話が進展しない。下巻から、英語の翻訳者片岡直哉、軍医の菊池忠彦、歴戦の勇士富永熊雄を軸に物語が進む。それぞれの、親、友達、妻、子ども達などを通して敗戦前の日本社会の状況を浮き彫りにしていく。そして最後の「終わらざる夏」の場面となる。
日本が無条件降伏した8月15日以降に、千島列島最北のシュムシュ島で、ソ連が戦端を開き、そこで、多くの兵士が死ぬ。そのことが、国と国との戦争の無意味さ、おぞましさ、をありありと付きつけることになる。夏なると厚い霧に覆われるシュムシュ島には、野の花が美しく咲き誇っているという。
ソ連兵であれ日本兵であれ、国家のシステムで、有無を言わさず動員された、普通の兵士たちが無惨に銃弾に倒れていく。日本軍の銃弾に倒れたコサックの兵士の夢幻の世界は、急に非現実的な場面になるが、心に残る。最終章の片岡の「とどかざる我が思ひ、なしとげざる我が務め…」の言葉が胸を打った。読んでいる間も、読了後も、心のなかにオリのように残るものの正体は何なんだろうか。
その後、フルートの練習をする。基礎練習、アルテ19課の3曲をたっぷりやった。指に力が入らないように気を付けていたのだが、何故か右手小指が異常に痛くなってきたので練習を止めることにする。どうもド♯を吹く時のフルートの支えが不安定で、内側にフルートが回転しようとするので、それを防ぐために、右手小指に力を入れているようだ。これはなんとしても改善しなければ、安定した音階が吹けないことになる。