へそ曲がりおじさんのひとり言

常識にとらわれるのが嫌い。
他人と同じ事が嫌い。
世の中、別な角度から見ると新しい物が見えるから。

「賃上げ」より「賃下げ」と言う発想の転換

2009年02月07日 02時56分42秒 | Weblog
春闘真っ只中の時期に「賃下げ」などと言うと「とんでもない!」と言う声しか返ってこないだろうが、「賃上げから賃下げへ」と言う「大胆な発想の転換」も必要だと思うのだが・・・・。
「賃下げなど時代に逆行している」と言うのが常識的な考えではあるだろうが、「賃下げによって物価を下げる」と考えれば「新たな景気回復の手段」になることにも気が付いて欲しいものである。
日本の企業に限ったことではないが、少しでも安い人件費を求めて、台湾に始まり、韓国、中国、へと生産拠点を移してきたのだが、「人件費の安さ」を武器に「世界の製造工場」などと言われた中国からでさえ逃げ出す企業が続出しているのだが、この最大の原因に「急速な経済発展による賃上げ」と言うものがあることは意外に語られていないのである。
日本企業が中国に工場を移転させ始めたことの中国人の給与は「日本人一人に払う給与で20人も30人も雇える」と言うほど低かったのだが、日本がバブルの崩壊で給与水準が「横ばいあるいは低下」と言う状況に陥ったのに対して、一方の中国は年率10%を超えるような急速な経済成長を遂げ「大幅な給与水準の上昇」をもたらしたのであるが、これは私がよく言うところの「諸刃の刃」になってしまうのである。
日本の給与が上がらずに中国の給与が上がってしまえば、当然の結果として「給与の格差が小さくなって旨味がなくなる」と言うことになってしまうのである。
ここまで書けばタイトルにある「賃上げより賃下げ」と言う意味がわかると思うのだが、「賃下げ」をすることにより「生産コストが下がる=製品価格(物価)が下がる=国際競争力がアップする」と言うことになり「国際競争力がアップする=輸出が増加する=工場の生産が増える=雇用の場が増える(失業者が減る)=国に活気が出る=・・・・」と、よい事ずくめであるが、余り大っぴらに行うと国際社会の顰蹙を買うこともあるので気を付ける必要はあるのだが・・・・。
更にもう一つ付け加えるならば「預貯金などの資産価値が上がる」と言う余禄も出てくるのである。
賃下げで物価が10%下がったと仮定すると「預貯金の価値は11%余り上昇する」と言うことになるのである。
毎年のことではあるが、春闘の時期になると「賃上げ」と言うことが「錦の御旗」のように打ち振るわれているのだが、「賃上げが国際競争力を奪う」と言う皮肉な結果をもたらすことも考えるべきだと思うのだが・・・・。
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