消費期限経過の牛乳問題については私個人は不二家よりも早く立ち直ることができましたが(詳しくは昨日のエントリ参照)、引き続き不二家の話。
もともと不二家は昨年からこんな話が進んでいました。
不二家の外食事業、みずほ証券系ファンド主導で再建
(Nikkei Net 2006年12月11日、日経MJには12月13日に記事があります)
不二家は11日、レストランを運営する子会社、不二家フードサービスを4月に会社分割し、みずほ証券傘下の投資ファンド、ベーシック・キャピタル・マネジメント(東京・千代田、川田真社長)と共同で設立する新会社に事業を譲渡すると発表した。業績悪化に歯止めがかからないため、外部主導で経営改革を進める。
新会社は来年1月に設立する。出資比率はベーシック・キャピタル・マネジメントが64.6%、不二家が35.4%。不二家フードサービスを4月に会社分割した後、新会社が事業を引き継ぐ。新会社の社長は同ファンドが1月をメドに派遣する予定。不二家フードサービスの2006年3月期決算は5億5900万円の営業損失で2期連続赤字だった。
不二家フードサービスはグループ内に分散していた外食事業を04年4月に統合し、前身の不二家ロードサイドレストランを社名変更して発足。「不二家レストラン」を中心に97店を展開する。不二家の看板キャラクター「ペコちゃん」を活用し、若年層には人気が高かったが、少子化による影響で業績が悪化していた。
で、小耳に挟んだ話では、今回の事件はこの事業譲渡(売りっぱなしでないので資本提携というのが正確かもしれません)にあたってのデューディリジェンス(DD)で発覚したということです。
しかし、報道によれば不二家の経営陣は昨年の11月には問題を認識していたようなので、それをベーシック・キャピタル・マネジメント社(BCM)がDDで知っていたらそもsも資本提携をしなかったのではないかとも思われます(この辺が噂の噂たる所以)。
なので、噂が本当だとしても
① BCMは不二家本体に対する資本提携・M&Aなども模索していたが、DDの結果を見てやめた。資本提携は外食部門だしDDの結果は外部に漏れるないと考え今回の「不二家」ブランド毀損のリスクを軽視していたら、何らかの拍子にリークしてしまいBCMは今非常に困っている。
② 不二家本体はDDの対象外だったが、不二家側はさらなる組織再編をにらんで事業の精査(値踏み)をしていたところ、本件が発覚した。BCMは知らされていなかったので今非常に怒っている。
などの(ちょっと苦しい)を考えざるを得なくなります。
これ以上詮索しても仕方がないですが、興味があるのはこのBCMとの資本提携はどうなちゃうんだろうということ。
提携の内容自体は子会社である不二家フードサービスの分割なので、不二家本体の不祥事や不二家ブランドの毀損が契約の解除事由とか価格調整事由になっているのかどうかが焦点になりそうですね。
ところで噂ついでにこんな話もあります。
不二家株でゴールドマン・サックス証券に批判が集中
不二家株をスキャンダル発覚前から大量に空売りしていたのではないかとして、ゴールドマン・サックス証券(持田昌典社長)に批判が集中している。同社などが1月12日に関東財務局に提出した「大量保有報告書」によれば、昨年12月31日に672万株(5・32%)を「証券業務の一部としての借入株券にかかるトレーディング等」の目的で保有したとされる。つまり、空売りをかけるため、品貸料を払ってまで借りてきたわけだが、年末に5%を超える大量の株を借りれる先は限れている。ある市場関係者も次のようにいう。「不二家の株主構成を見ると、借り先はどうしても筆頭株主に疑いの眼を向けざるを得ない。不二家経営陣が事前に大株主だけには情報を伝えていた可能性もある。GSはインサイダー情報を得ていたのかどうか、SECは早急に調査すべきだ」
GSが上記BCMとの資本提携やその後の不二家の再編のアドバイザーになっていたが、DDの結果を見てディールが成立する見込みが薄くなった(=成功報酬がとれない)ので空売りで一儲けしようとした、などと想像力を逞しくすることもできますが、まあ、その辺になるとこのブログの守備範囲をこえてしまいますので、今日はこの辺で。