今更ながら、という感じでもあるのですが、橋梁談合事件について、ちょっと考えてみました。
人の噂も最近では7.5日程度しかもたないようで、既に過去の話になりつつありますが、企業の担当の逮捕で終わり、というのでは問題は改善しないように思うのでちょっと拘ってみました。
公共工事が(自由競争でなく)指名競争入札制度をとっているのは、技術力の劣る「安かろう悪かろう」の業者を排除して、一定の施工水準を確保する目的があると思います。
自由競争にした場合は、発注側(官公庁)が見積の妥当性や工事の内容のチェックをきちんとしなければいけません。
しかしこのために専門の要員を貼り付けるのは、確かに税金の使い方として効率性に欠ける一方で橋はその性格上万が一にも落ちたりすると困るので、指名競争入札制度を採用しているのでしょう。
しかし、橋梁工事のようにそもそもの業者数が限られている場合は「指名」の範囲も限られるでしょうし、高度成長期のように受注量がコンスタントに見込めるとい羽状今日でない今日、1社で何物件も受注するだけの要員を抱えるわけにもいかないので、そもそも(談合がなくても)競争状態が生じにくいという問題があるように思います。
そうであるとすると、発注者側でいかに適切な入札予定価格が積算できるか、が一番のポイントになるのではないでしょうか。
入札予定価格が適正であれば、たとえ談合があったとしても税金の無駄遣いにはならないわけですし、逆に安すぎて橋梁工事業界(技術)を苦境に追いやる事もないはずです。
つまり、寡占状態でしかも市場規模が小さい業界においては、競争入札制度を維持することよりも、発注者側でいかに適正な入札予定価格の積算ができるかが重要なのではないでしょうか?
我流で優先順位をつけるとすれば
①安全な橋を作る
②税金の無駄遣いをしない(受注者側に過剰な利益をもたらさない)
③国産技術を根絶やしにしてしまうほどの過酷な安価での発注もしない
④適正な自由競争原理を働かせる
というあたりではないでしょうか。
なので、談合の摘発で終わるのではなく、橋梁工事の発注の仕組み自体も見直すべきなのではないか、と思います。
最後に、今回の談合事件で一番悪いのは誰か、について考えてみます。
工事業者もルール違反は当然いけないのですが、一番厳罰に処すべきは、入札予定価格を漏らした発注者側の人間だと思います。
金庫破りの手引きをした銀行員のようなものですから。
また、裏設計(発注者から入札用に設計を請負った設計会社が実際の設計をせず工事業者が裏で設計をし、自分に有利な工法を採用する)があったとすれば、それを受けた設計会社の方をより厳しく処罰すべきだと思います。
入札予定価格の適正な積算という根幹を揺るがす行為は許してはいけないと思います。
JR西日本の事故で安全性とダイヤの遵守、コストの優先順位について(利用者としての反省も含め)せっかく議論が盛り上がっているわけですから、橋梁談合事件についても「談合した企業がけしからん」という議論だけでなく、公共工事の発注の仕組み自体も議論されるといいと思います。
人の噂も最近では7.5日程度しかもたないようで、既に過去の話になりつつありますが、企業の担当の逮捕で終わり、というのでは問題は改善しないように思うのでちょっと拘ってみました。
公共工事が(自由競争でなく)指名競争入札制度をとっているのは、技術力の劣る「安かろう悪かろう」の業者を排除して、一定の施工水準を確保する目的があると思います。
自由競争にした場合は、発注側(官公庁)が見積の妥当性や工事の内容のチェックをきちんとしなければいけません。
しかしこのために専門の要員を貼り付けるのは、確かに税金の使い方として効率性に欠ける一方で橋はその性格上万が一にも落ちたりすると困るので、指名競争入札制度を採用しているのでしょう。
しかし、橋梁工事のようにそもそもの業者数が限られている場合は「指名」の範囲も限られるでしょうし、高度成長期のように受注量がコンスタントに見込めるとい羽状今日でない今日、1社で何物件も受注するだけの要員を抱えるわけにもいかないので、そもそも(談合がなくても)競争状態が生じにくいという問題があるように思います。
そうであるとすると、発注者側でいかに適切な入札予定価格が積算できるか、が一番のポイントになるのではないでしょうか。
入札予定価格が適正であれば、たとえ談合があったとしても税金の無駄遣いにはならないわけですし、逆に安すぎて橋梁工事業界(技術)を苦境に追いやる事もないはずです。
つまり、寡占状態でしかも市場規模が小さい業界においては、競争入札制度を維持することよりも、発注者側でいかに適正な入札予定価格の積算ができるかが重要なのではないでしょうか?
我流で優先順位をつけるとすれば
①安全な橋を作る
②税金の無駄遣いをしない(受注者側に過剰な利益をもたらさない)
③国産技術を根絶やしにしてしまうほどの過酷な安価での発注もしない
④適正な自由競争原理を働かせる
というあたりではないでしょうか。
なので、談合の摘発で終わるのではなく、橋梁工事の発注の仕組み自体も見直すべきなのではないか、と思います。
最後に、今回の談合事件で一番悪いのは誰か、について考えてみます。
工事業者もルール違反は当然いけないのですが、一番厳罰に処すべきは、入札予定価格を漏らした発注者側の人間だと思います。
金庫破りの手引きをした銀行員のようなものですから。
また、裏設計(発注者から入札用に設計を請負った設計会社が実際の設計をせず工事業者が裏で設計をし、自分に有利な工法を採用する)があったとすれば、それを受けた設計会社の方をより厳しく処罰すべきだと思います。
入札予定価格の適正な積算という根幹を揺るがす行為は許してはいけないと思います。
JR西日本の事故で安全性とダイヤの遵守、コストの優先順位について(利用者としての反省も含め)せっかく議論が盛り上がっているわけですから、橋梁談合事件についても「談合した企業がけしからん」という議論だけでなく、公共工事の発注の仕組み自体も議論されるといいと思います。